イトーキ、開発部門の拠点を大規模リニューアル 部門間/外部との連携強化:リノベ
イトーキは、京橋オフィスを大規模リニューアルし、ラボ&ワーキングショールーム「CILK」として開設した。部門間や外部パートナーとのコラボレーションを加速するとともに、開発者がユーザーの声に触れられるワーキングショールームとしても活用する。
イトーキは2024年2月8日、主に開発部門が拠点とする京橋オフィスを大規模リニューアルし、ラボ&ワーキングショールーム「CILK(シルク)」として開設した。部門間や外部パートナーとのコラボレーションを強化し、イノベーションの創出を図る。
顧客ニーズをリアルタイムに捉える「価値創造拠点」に
新京橋オフィスCILKは「Co-Innovation Lab. Kyobashi」の略。イトーキの掲げる「Tech x Design」の考え方をもとに、「自分たちらしく創りあげる自由で創造的なラボ&ワーキングショールーム」としてデザインした。企画やデザイン、設計、品質保証、調達、デジタルトランスフォーメーション(DX)における部門間のコラボレーションや、外部パートナーとのオープンイノベーションを加速し、新たな「価値創造拠点」として機能させる。
また、新コンセプトやプロトタイプの体験の場、また、開発者が直接ユーザーの声に触れられるワーキングショールームとして活用することで、顧客ニーズをリアルタイムに捉えた開発につなげる。
働き心地を高めるさまざまなIoT機器を採用
新京橋オフィスは、「エリア&スペース」「家具・ソリューション」「オフィスデータ」の3要素を組み合わせて空間をデザインした。「ワーキングスペース」「フォーカスエリア」「ラボエリア」「フレキシブルラウンジ」の4つのエリアは、成瀬・猪熊建築設計事務所を監修に迎えて再編集したオフィス家具ブランド「common furniture(コモンファニチャー)」を中心に設計している。
拠点を超えたスムーズなコミュニケーションを行うため、クローズドブース「アドセル」や、オープンスペースでも周囲に音が漏れづらいボックス型ソファ「Sound sofa(サウンドソファ)」を設置した。Sound sofaは背面に指向性スピーカーを搭載し、Web会議の音声を最適な範囲にコントロールする。周囲への音漏れを抑えながら座っている人だけにクリアに聞こえる仕組みだ。
さらに、働き方の多様化、細分化に対応する最適なファシリティマネジメントの実現に向けて、IoTセンサーを活用した位置情報提供サービス「Workers Trail(ワーカーズ トレイル)」と、個人と組織のパフォーマンスを分析するクラウド型サーベイシステム「Performance Trail(パフォーマンストレイル)」を導入した。
Workers Trailは、WHEREが提供するIoTセンサー「EXBeacon」と、働き方支援アプリ「EXOffice」をベースにしたアプリケーション。従業員の居場所が一目で分かる「ワーカーズマップ」や、会議室や座席を予約できる「ホテリング機能」、オフィスの滞在率や場所ごとの活用率などの働き方を可視化する「アクティビティ分析」などの機能が利用できる。
一方のPerformance Trailは、イトーキが開発したクラウド型のアンケートサービス。収集した個人と組織のコンディションやパフォーマンスデータを総合的に分析し、課題や生産性向上の手掛かりを見つけ、オフィスの見直しといった明確な改善策を提示する。
イトーキは2022年と2023年に日本橋オフィス「ITOKI TOKYO XORK」の大規模リニューアルを実施。リニューアル後に従業員のエンゲージメントスコアが10ポイント以上アップしたことを確認した。今回の新京橋オフィスでも、エンゲージメント向上に加え、生産性向上や売り上げ拡大、イノベーション創出にもつなげたい考えだ。
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