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断熱性能と空調方式の違いはエネルギー消費/温熱環境にどう影響するか、実験住宅で実証へ:製品動向
LIXILと東京電力エナジーパートナーは、断熱性能と空調方式の異なる実験住宅を用いて、エネルギー消費や室内温熱環境への影響を検証する実証実験を開始する。
LIXILは2024年6月24日、東京電力エナジーパートナーと共同で、高断熱住宅での全館空調システムのエネルギー消費/温熱環境の実測を開始すると発表した。期間は2024年7月から2026年3月までの約1年8カ月間。断熱性能と空調方式の違いが、エネルギー消費や室内温熱環境にどのように影響するのか実験住宅で検証する。
断熱等級6相当に改修し、LIXILの全館空調システムを導入した高断熱住宅を活用
今回の検証は、神奈川県横浜市の東京電力ホールディングス経営技術戦略研究所内にある実験住宅2棟を使用して行う。
実験住宅の1棟は、断熱等級6相当に改修するとともに、LIXILが開発した断熱等級6以上の高断熱住宅を対象とした全館空調システム「エコエアFine」を設置し、全館連続空調を行う。もう1棟は、現在の断熱性能レベルの住宅で、エアコンを居室ごとに間欠運転させ、2棟の電力消費量と室内温熱環境を計測し比較分析する。
2025年度には、断熱等級6相当の住宅と約30年前の断熱性能レベルの住宅(断熱等級2相当)との比較も行う予定だ。なお、実測は、東京大学 前真之准教授の協力を得て計画した。
両社は、今回の実測を通じて、高断熱住宅における全館空調システムのエネルギー消費や温熱環境の実態を明らかにし、住宅の高断熱化や効率的なエネルギー利用の提案につなげたい考えだ。
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