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ゼロカーボンビルを目指す研究所管理棟で『ZEB』認証取得 大成建設脱炭素

大成建設は埼玉県幸手市で建設を進める「大成建設グループ次世代技術研究所」の研究管理棟で、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)最高位の「5つ星」と『ZEB』認証を取得した。

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 大成建設は2024年4月17日、埼玉県幸手市で建設を進める「大成建設グループ次世代技術研究所」の研究管理棟で、運用段階で排出するCO2(オペレーショナルカーボン)の削減に取り組み、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)最高位の「5つ星」と『ZEB』認証を取得したと発表した。

BELS認証プレートとラベル
BELS認証プレートとラベル 出典:大成建設プレスリリース

 研究所には、オペレーショナルカーボンを削減する技術として、人を検知して照明や空調を最適制御する自動環境制御システム「T-Zone Saver」や、ダブルスキンと多目的解析による日射遮蔽計画を利用した高断熱外装を導入。また、これらの省エネ技術に加え、ビルの壁面や窓面を利用して太陽光発電を行うガラス一体型の発電システム「T-Green Multi Solar」や、汎用太陽光パネルによる発電など、創エネルギーの取り組みも推進する。さらに、建築物ライフサイクルCO2の評価ツール「T-LCAシミュレーターCO2」によるCO2排出量簡易検証と、設計へのフィードバックも行った。

大成建設グループ次世代技術研究所研究管理棟外観予想図
大成建設グループ次世代技術研究所研究管理棟外観予想図 出典:大成建設プレスリリース

建築物のライフサイクルにおけるゼロカーボンを目指す

 次世代技術研究所研究管理棟は、調達から施工、運用、修繕、解体に至るまでの、建築物のライフサイクルにおけるゼロカーボンを目指している。CO2排出量の評価は、大成建設が開発した建築物の脱炭素化を体系的に評価するシステム「T-ZCB」に基づいて行う。

T-ZCBチャート。着色部が運用期間
T-ZCBチャート。着色部が運用期間 出典:大成建設プレスリリース

 プロジェクトでは、標準建築物でのライフサイクルCO2排出量のうち、オペレーショナルカーボンは約63%を占めると試算しており、建物運用時の一次エネルギー消費量の削減が必須だった。今回の第三者認証により、研究管理棟のBELS認証評価対象範囲の一次エネルギー消費量が標準建築物の基準値マイナス115%になることを確認し、建築物単体で『ZEB』を達成した。

 なお、大成建設が目指す「ゼロカーボンビル」の達成には、『ZEB』認証取得水準に相当する省エネルギー、創エネルギー技術に加え、建築物のライフサイクルにおけるエンボディドカーボン(調達、施工、修繕、解体で排出されるCO2)のさらなる削減も求められる。今後は、プロジェクトで得た知見を活用し、建築物ライフサイクルでのCO2排出量を把握/削減する技術の導入と適切な管理を行っていく。また、顧客が所有する建物に対して段階的なゼロカーボンビルの提案を推進する。

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