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空気を入れるだけで設置完了 粉じん飛散を防ぐ竹中工務店の養生壁施工

竹中工務店は、改修工事の作業所で粉じんの飛散を防止する養生壁「ウォールQ」を開発した。空気を膨らませて専用シートを貼るだけで設置が完了し、撤去も5分ほどで終わる。

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 竹中工務店は、アクティオ、朝日機材、アキレスと共同で、空気圧を用いた支持体の採用により、気密性が高く、少人数かつ短時間で養生として設置可能なユニット壁「ウォールQ」を開発したと2024年5月末に発表した。

空気で膨らませて専用シートを貼り付けるだけで設置可

 これまでに開発した空気圧を用いた「エアーQ」や「すぽっとQ」と称した構造体を応用し、空気圧を用いた支持体(以下、気柱)と養生シートで構成した簡易パーテーションとし、粉じん飛散防止の機能を持たせた。

 ウォールQはT字型と門型の2種類があり、用途に応じての使い分けや寸法調整が可能で、付属のブロアーで空気を注入すると短時間で仕様の大きさに膨らむ。T門型のサイズは180(幅)×1900〜2400(高さ)×1800(奥行き)ミリで、T字型は180(幅)×1900〜2400(高さ)×800〜1800(奥行き)ミリ。

「ウォールQ」設置状況(左)、エアージャッキ(右)
「ウォールQ」設置状況(左)、エアージャッキ(右) 出典:竹中工務店プレスリリース

 従来の屋内改修工事は、テナントが入居したままの作業が多く、テナントの営業終了後に作業区画を設置し、突っ張り棒や単管などの骨組みの上から養生シートを貼り付け、テープなどで隙間を埋めていた。作業エリアから外部へホコリの飛散を防ぐ大掛かりな養生の場合は、多大な作業時間を要し、施工時間にも遅れなどの悪影響が出ていた。

 今回開発したウォールQは、短時間で設営や撤去が可能で、改修工事の施工時間も確保できる。

 ウォールQ同士は、上部気柱の両端部にある面ファスナーで簡単につなげられ、面ファスナー部分は出入り口にも使える。また、気柱足元のエアージャッキも気柱同様に、付属のブロワーを用いて空気を注入することで、30〜300ミリに高さ調整できる。

 突っ張り棒とホコリ飛散防止シートを用いた従来の養生方法と、ウォールQによる養生方法で作業時間を比較したところ、同様の養生範囲を従来であれば、2人で約4時間掛かるところが、ウォールQを用いた場合は2人で約1時間半程度と、従来方法より短時間で設営が完了。撤去も、気柱の空気を抜いて、シートを剥がすだけのため、5分程度で完了した。

 今後の生産は、アキレスが担当し、レンタルや販売はアクティオが担当する。竹中工務店と朝日機材は共同で普及展開を図り、建設業界の省人化や省力化につなげていく。

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