ウイルス除去や温度調節、除じんも可能な空調システム「Stela UVC」を製品化、鹿島と日機装:BAS
鹿島建設と日機装は、細菌やウイルスの除去から、温度調節、除じんまでに対応し、新築/改修を問わずに導入できる空調システム「Stela UVC」を製品化した。
鹿島建設と日機装は2024年4月18日、感染対策に配慮した空調システム「Stela UVC(ステラ ユーブイシー)」を共同開発し、製品化した。
Stela UVCのStelaは、Sterilization using ultraviolet Led in Air-conditioning systemの略。ダクト接続型の深紫外線LEDユニットを組み込んだ空調システムで、ダクトを通じて循環する空気に深紫外線を照射し、空気中の細菌やウイルスを除去し、室内の空気を清浄化する。
細菌やウイルスの除去から、温度調節、除じんまで可能な空調システム
Stela UVCは、深紫外線LEDのリーディングカンパニーである日機装が製造し、高い品質基準を満たす深紫外線LED「SumiRay(スミレイ)」を搭載している。日機装がこれまでに培った深紫外線LEDモジュール開発の知見やノウハウから照射効率の高い設計を実現し、効率的に細菌やウイルスを除去する。
一般的な大型建築物の空調システムは、空調機やフィルターなどをダクトで接続し、室内空気を循環させることで、温度調節や塵(ちり)や埃(ほこり)を除去。Stela UVCは、その過程に深紫外線LEDユニットを組み込むことで、循環する空気に深紫外線を直接照射し、空気中の細菌やウイルスを除去して、室内の空気を清浄化する。
深紫外線LEDユニットはダクト接続型で、空調機の仕様に縛られないため、設置位置の自由度が高く、新築/改修を問わない。導入効果の高い建物の使用用途では、多くの人が長時間滞在する会議室や容積の小さい個室が想定される。
鹿島建設は、空調設備設計の豊富なノウハウを生かし、空調システムとしての機能を最大限に引き出す配置計画や台数選定を提案する。
既に、複数の案件において「Stela UVC」の採用に向けた計画が進められています。鹿島と日機装は今後、「Stela UVC」を通じて、建物利用者にとって、より安全・安心な環境を提供していきます。
両社によると、2023年5月の新型コロナウイルス感染症「5類」への移行後、建物所有者の意識にも変化が見えはじめ、フロアの専有面積を損なうことなく、室内空気を適切に除菌できる空調システムを求める声が多くなったという。そうした声をすくい取るべく、Stela UVCの開発に着手し、試作機を横浜市内のオフィスビルに試験導入し、実証を経て製品化に至った。
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