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ハウスメーカーの社屋新築工事でBIM活用、国交省の補助金交付が決定 三谷産業と地場ゼネコンが連携BIM

三谷産業と富山県を拠点とする地場ゼネコンのタカノ建設が共同で進めてきた「タカノホーム石川支社新築工事プロジェクト」について、国土交通省「建築BIM加速化事業」の補助金交付が決定した。

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 三谷産業は2024年5月16日、富山県を拠点とする地場ゼネコンのタカノ建設と共同で進めてきた「タカノホーム石川支社新築工事プロジェクト」(石川県金沢市)について、国土交通省「建築BIM加速化事業」の補助金交付が決定したと発表した。

 建築BIM加速化事業は、BIMを活用する建築プロジェクトで、複数の事業者が連携してBIMデータを作成する場合に設計費や建設工事費などを補助する制度。三谷産業はタカノ建設の協力事業者としてプロジェクトに参加し、空調衛生設備の施工と、意匠/構造/設備の統合BIMモデルを作成して、施工を円滑行うための確認/検証作業(取り合い調整)を実施した。BIMにより建物の情報を可視化したことで、発注者と受注者間で容易に共通認識を持つことができ、手直しの少ない円滑な施工を実現した。

三谷産業とタカノ建設が共同で作成したタカノホーム石川支社のBIMモデル(左)と完成したタカノホーム石川支社(右)
三谷産業とタカノ建設が共同で作成したタカノホーム石川支社のBIMモデル(左)と完成したタカノホーム石川支社(右) 出典:三谷産業プレスリリース

 三谷産業は2016年に、空調設備工事部門でBIMの専門チームを発足した。意匠/構造/設備の全てにBIMを活用する「フルBIM」に取り組み、全国の民間/公共施設のBIMモデルの作成に取り組んでいる。

2024年度から小規模/改修プロジェクトも対象に

 BIMの活用は、施工計画や設計段階での関係者の確認作業や合意形成をスムーズにし、設計の質を向上するとともに、業務効率や労働生産性の向上、建物の建設や運営、維持管理コストの削減にも寄与する。

 一方で、国土交通省が2022年度に行った調査によると、建築分野でのBIM導入率は全国で48.4%にとどまっている。特に東京/愛知/大阪の大都市圏では導入率が7割近くに達するものの、その他の地域では4割未満で、大都市とそれ以外の地域に大きな差があることが明らかになっている。

 現在BIMを使用していない中小事業者でも、補助事業を利用することでBIMを導入しやすくなる。また、既にBIMを採用している企業にとっても、新規のBIMソフトの購入や技術習得に補助金を充当できるため、より広範なBIM活用が可能になる。さらに、複数の事業者が共同でBIMの利用を推進することで、全国的な導入の加速化にもつながることが期待される。

 なお、建築BIM加速化事業は2024年度から、従来の大規模かつ新築のプロジェクトに加え、小規模プロジェクトや改修プロジェクトも補助金の対象となった。

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