「足場DXで2024年問題に歯止めをかける」“タカミヤ プラットフォーム”の実験施設、9月オープン:産業動向(2/2 ページ)
次世代の足場材「Iqシステム」を販売するタカミヤは、「建設2024年問題」に歯止めをかけるソリューションの研究開発拠点として、兵庫県尼崎市のR&D拠点「Takamiya Lab. West」に、実験施設「Innovation Hub」の建設を進めている。
次世代足場機材「Iqシステム」のデジタル市場も創出
タカミヤでは、建設業界の課題解決策を業務効率化による生産性向上とみなし、次世代足場の「Iqシステム」をはじめ、建設業界に関わる仮設機材の開発や製造、販売、レンタルを通じ、時代に合わせて変革してきた。その経験を生かし、2023年度にタカミヤ プラットフォームを構築し、保有機材の管理最適化や品質の担保などのさまざまな取り組みを進めている。
Iqシステムは、施工性を考慮してヘルメットがぶつからない階高1900ミリとした次世代足場。従来のクサビ式支柱(3800ミリ)に比べ、2キロ軽いパイプを使用し、従来のクサビ足場を上回る作業効率と安全性、同水準の経済性を実現している。
保有機材の管理最適化では、枠組足場を扱う会社の平均稼働率は約50%前後しかないため、次世代足場のIqシステムを全国29カ所にある機材Base(供給拠点)へ預け入れることで、稼働率の低い機材はレンタルで補い、稼働率の高い機材だけを保有し、機材稼働率の向上、管理業務を行う人件費や機材の保有費などのコスト削減が実現する。
また、タカミヤ プラットフォームの新サービスで特徴なのがWebオーダーシステム「OPERA(オペラ)」。OPERAはこれまで、電話やFAXで行っていた仮設機材の受発注や配送車両の手配などを、Web上で24時間365日対応するWebシステムだったが、プラットフォーム上で提供する全てのサービスの入口とし、顧客はOPERA上でさまざまなサービスを利用できる。
OPERAを入口とする新規サービスの1つが、「Iq‐Bid(アイキュービット)」。Iq-Bidは、Iqシステムを顧客間で売買が可能になる足場機材のデジタル市場となる。また、自動作図ツール「RABOT」も実装し、仮設図面設計の2D、BIM/CIMなどの3Dモデルにも対応する。また、経験の浅い人だけでなく、熟練者の手動作業時間を約4分の1〜2分の1に削減する作図図面のスピーディーな提供が実現する。
こうしたタカミヤ プラットフォームの付加価値や安全性を追求する研究開発拠点が、Takamiya Lab. West。顧客が製品を手に取って体験できるイノベーションハブ、預かった製品を適切に保管し、品質保証をするためのDX推進などを行う。併設する2024年9月のInnovation Hub竣工をもって、Takamiya Lab. Westがグランドオープンする。
代表取締役会長 兼 社長 高宮一雅氏(※高ははしごだか)は、Takamiya Platform構想について、「タカミヤプラットフォームは当社のビジネスモデルを一新する新たな業界のスタンダードとなる取り組み。仮設に関連する全ての業種とプラットフォームを共有できるようになれば、建設会社や足場レンタル会社だけではなく、運送会社や設計会社などもプラットフォームを利用してビジネスの在り方さえも変え、事業エリアや事業規模、事業領域の全てを拡大できる」とコメントしている。
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