メタバース空間で足場の組立/解体、VRで体感 杉孝が新サービス:xR
足場/仮設機材レンタルの杉孝は積木製作とともに、足場の組立/解体を体感できる教育コンテンツ「メタバース体感教育」を開発し、足場安全教育サービスの一環として提供を開始した。
足場/仮設機材レンタルの杉孝は2024年3月5日、メタバース空間でクサビ緊結式足場の組立や解体を体感できる教育コンテンツ「メタバース体感教育」を積木製作と共同開発したと発表した。
メタバース体感教育は2024年3月1日から、杉孝の足場安全教育サービスの一環として提供を開始した。足場の安全を専門とする杉孝の講師1人と、受講者5人の最大6人が同時に接続可能で、遠隔からも参加もできる。受講時間は1回当たり最大2時間で、VRヘッドセットは「MetaQuest3」を使用する。コンテンツでは、足場機材の形状や仕組み、組立/解体手順を学習する他、高所からの落下体感など危険作業の体感に加え、墜落制止用器具の正しい使用方法を始めとする組立/解体中の安全確保の方法も学ぶ。
受講対象者は、新人のとび職人や、建設/建築関連会社の新入社員に加え、足場作業主任者や職長、現場監督まで幅広く対応する。会場で集まって教育を行う場合は、杉孝の講師がデバイスを会場に持ち込み、その場でコミュニケーションを取りながら実施。遠隔で行う場合は、デバイスと説明書をあらかじめ会場に郵送し、講師のアバターとメタバース空間で合流する。
展示会で来場者が体感 ヒアリングを改良に生かす
メタバース体感教育は、2023年の夏と冬に開催された展示会でデモプログラムを披露し、来場者約230人が体感した。ここで得たヒアリングの結果をもとに改良を加え、墜落制止用器具の使用に関する機能、結果をスコア化して提示する振り返り機能を追加し、操作性も改善した。
建設業の人手不足で、足場の組立や解体における技能継承、安全確保が課題になりつつある。メタバース体感教育を使用することで、天候や場所に左右されず、遠隔地からでも効率的に、足場の解体方法や機材の特徴を習得できる。
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