建設プロセスごとのCO2排出量を可視化 アスエネの建設特化クラウドサービス:脱炭素
アスエネは、建設プロセスごとにCO2排出量を見える化する建設業界に特化した「Asuene Construction」の提供に注力している。
アスエネはCO2排出量を見える化するクラウドサービス「アスエネ」に、建設業界に特化した包括的なソリューション「Asuene Construction(アスエネ コンストラクション)」を実装し、販売展開に注力している。
クラウドサービスのアスエネは、複雑だったCO2排出量算出業務をカンタンにするクラウドサービス。温室効果ガス、CO2排出量の算出、可視化、カーボンオフセット、Scope1のサプライチェーン排出量の報告、情報開示を一元的に管理できる。
2024年2月にラインアップしたAsuene Constructionは、建設業界独自の課題を解決する機能を提供し、建設業界関連企業のサプライチェーン全体でCO2排出量の見える化が可能になる。
建設業界のCO2排出量算出業務をカンタンにサポート
建設に特化したサービス開始の背景には、国土交通省が改正建築物省エネ法を2021年4月に施行し、従来の大規模非住宅建築物(延べ床面積2000平方メートル以上)の省エネ基準への適合義務を引き上げ、中規模建築物(300平方メートル以上のオフィスなど)にまで対象を拡大したことがある。
国際的にも、脱炭素鉄鋼の調達を推進する国際的イニシアチブ「SteelZero(スチール・ゼロ)」や脱炭素コンクリートの調達を推進する国際的イニシアチブ「ConcreteZero(コンクリート・ゼロ)」が発足するなど、脱炭素が難しいとされてきた建設分野でも脱炭素が求められている。
建設分野のCO2排出量の算定には、施工現場での電気、軽油、灯油、水道の使用量だけではなく、資材個別の製造時でCO2排出量の把握などが必要となる。施主や業界団体、環境イニシアチブから求められるCO2排出量の見える化や削減、報告を簡単にかつ効率的に行うための取り組みが急務になっている。
Asuene Constrauctionは、建設現場のCO2排出量を自動算定し、建設プロセスごとのCO2排出量を見える化する。具体的には、不動産会社でESGに対する配慮が行われているかを評価し、投資判断に使用するためのツール「GRESB(Global Real Estate Sustainability Benchmark)」向けのコンサルティングを拡充した他、項目管理や建設用の原単位の機能などを備える。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 脱炭素:「CO2を食べる自販機」由来の道路用材料を開発、アサヒ飲料と前田道路
アサヒ飲料と前田道路は、「CO2を食べる自販機」で回収したCO2を活用し、道路用材料を共同開発した。既に、アサヒ飲料の研究施設内の道路に活用する実証実験を開始している。自動販売機を通じて吸収した大気中のCO2をアスファルト舗装材料に用いる取り組みは、両社によると国内で初めて。 - 製品動向:木製素材の需要増に応え木製ブラインドを拡充、充電できる製品も発売 立川ブラインド工業
立川ブラインド工業は、環境配慮の観点から需要拡大が見込まれる木製ブラインド「フォレティア」をリニューアルし、国産材を使用したスラットを追加した他、電動化にも対応した。住宅に加え、オフィスや商業施設での需要を見込んでいる。 - 施工:型枠工事の新工法を鹿島建設が開発、歩掛を2割向上
鹿島建設は、岡部、丸久、楠工務店と共同で、型枠工事を省力化する「型枠一本締め工法」を開発した。在来工法と比較して使用するパイプを軽量化するとともに、高強度化して本数を削減し、施工方法を簡素化した。既に全国10件以上の現場に新工法を導入し、このうち東京都豊島区の社有施設「ドーミー南長崎アネックス」の新築工事現場では、パイプ荷揚げの総重量を約56%低減し、歩掛を約20%向上した。 - 脱炭素:東急建設が「建材CO2検索システム」を社外に公開、2024年秋から一般向けにも
東急建設は、自社の建設事業で独自に収集/活用してきた低炭素建材のデータベースをクラウド化し、建材CO2検索システム「CMCOS」として社外からの利用を可能にした。まずは建材メーカーを中心に公開して内容を充実させ、2024年度の秋をめどに、一般ユーザーへの公開を予定している。 - 第6回 建設・測量生産性向上展:中国建機メーカー「柳工」が日本進出 環境負荷ゼロのBEV建機で運用コストも削減
中国の建設機械メーカー「柳工(LiuGong)」は、「第6回 建設・測量生産性向上展(CSPI-EXPO)」に初出展し、100%電気で稼働するBEV建機で日本市場への進出を表明した。 - あらゆる建機をStarlinkで遠隔操縦 NTT Comが東大発ベンチャーと建設現場の「無人化施工」へ
NTTコミュニケーションズは、東大発ベンチャーのARAVと共同で、日本全国の建設現場で稼働するあらゆる建機を対象に、遠隔操縦を可能にする「遠隔操縦/自動化ソリューション」の提供を開始した。大手通信キャリアの強みとなる通信は、5Gや固定回線だけでなく、衛星通信の「Starlink」とメッシュWi-Fiも提供し、映像遅延が0.3秒以下に収まる遠隔操作に適したネットワーク環境を構築できる。