紙図面からの建材「拾い出し」を自動化、積算システムにAI積算機能を追加 パナソニック:AI
パナソニック ハウジングソリューションズは、パートナー企業専用の業務支援サイト「間取り図AI積算」の提供を開始する。紙の図面からの拾い出しを自動化する「AI積算」機能などにより業務効率を改善し、パナソニック建材製品1棟分の見積り時間を従来と比較して50%以上短縮する。
パナソニック ハウジングソリューションズは2024年4月24日、パートナー企業専用の業務支援サイト「Webハウズ間取り図積算システム」を改良した「間取り図AI積算」の提供を開始する。紙の図面からの拾い出しを自動化する「AI積算」機能や、空間パッケージの提供で建材製品選定の時間を削減する「Life Style Fit(ライフスタイルフィット)連携」機能により業務効率を改善し、パナソニック建材製品1棟分の見積り時間を従来と比較して50%以上短縮する。
AI積算は、紙の図面をPCで取り込み任意の寸法を指定すると、AIが学習データに基づき、部屋作成から部屋別や部材別の拾い出しまでを自動で行う。建材製品(内装ドア、クローゼット扉、床材、幅木、窓枠が対象)1棟分の拾い出し作業の時間は、積載部門で見積もりした場合平均41分を要するが、AI積算を使用することで15分まで短縮できる。特に、使用面積から数量を算出する床材や、使用範囲(長さ)から数量の把握が必要な幅木の拾い出しに効果を発揮する。
さらに、積算システムにCADデータを直接取り込んで拾い出しを行うことも可能だ。国内の主要大手3社(福井コンピュータアーキテクト、コンピュータシステム研究所、DTS)の住宅CADソフトには、パナソニックの積算システムへの連携機能が搭載されているため、CADソフトを限定せずに業務を効率化する。利用するCADにより異なる建具開口寸法は、暫定的にパナソニックの標準寸法で見積りを提出し、特注による納期や価格への影響を防ぐ。
Life Style Fitは、コーディネートされた7つの空間パッケージから仕様を一括選定できる機能で、建材の選定にかかる時間を2分に短縮し、概算見積り時の仕様選定時間を削減する。「仕様はお任せで急ぎの見積りが欲しい」という要望に応えるとともに、インテリアがコーディネートされた空間を提案することで、一次提案としての納得性も高められる。
また、平面図から、積算システム上に簡易版3Dパースで立体的なスケッチモデルを生成するため、見積りをしながら3D表示で直観的に仕様を確認できる。
見積もり時間の短縮に加えて、関連資料もボタンを推すだけで同時にアウトプット可能だ。見積り書に加え、平面図の設置箇所ごとに選定されている製品が分かる「間取り図付き提案ボード」、見積もり製品の寸法詳細を記した「製品図面」、製品の梱包ラベルと連動して現場搬入時に便利な「間配りボード」を提供できる。
このうち、間取り図付き提案ボードは積算システム上で確認した3DパースをQRコード化し、施主や設計者がQRコードを読み込むことで、スマートフォンやタブレット端末で3Dパースとしての立面情報を確認可能だ。
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