大成建設とカネカ、窓や外壁で発電する太陽電池発電システムの共同事業会社設立:新建材
大成建設とカネカは、太陽電池モジュールで発電する外装発電システム「Green Multi Solar」の共同事業を目的とする「G.G.Energy」を設立し本格営業を開始した。
大成建設とカネカは2024年4月15日、太陽電池モジュールで発電する外装発電システム「Green Multi Solar」の共同事業を目的とする「G.G.Energy(ジージーエナジー)」を設立し、同年4月から本格営業を開始したと発表した。
大成建設とカネカは2019年にビルの外壁や窓を太陽電池モジュールと一体化させた新たな発電システム「T-Green Multi Solar」を共同開発したと発表。その後、関連製品の開発など事業化に向けてさまざまな取り組みを進めてきた。
今回、共同事業会社を設立することでGreen Multi Solarの販路拡大、普及、促進を一体となって進めていく狙いだ。今後は、新築およびリニューアル物件の創エネルギー技術として、環境意識の高い企業や官公庁施設などに対し、提案を進めていくとしている。
大成建設とカネカが共同開発したGreen Multi Solarは、大成建設の建材一体型太陽電池の設計施工ノウハウと、太陽電池モジュールの技術力と住宅分野で高性能な瓦一体型太陽電池の導入実績を持つカネカの強みを組み合わせることで実現したものだ。
脱炭素化が求められる中で太陽電池など再生可能エネルギーの活用に期待が集まるが、太陽光発電設備の設置にはスペースの問題があり、発電量を容易に増やすことができない。大成建設とカネカはそこに目を付け、建物の外壁や窓で発電するという発想でGreen Multi Solarを生み出した。
Green Multi Solarは一般的な外装材と同等の耐久性を持ち、太陽電池が外装材と一体化しているため施工性に優れ、発電を30年以上持続することができる特徴を持つ。両社では今後もさらに再生可能エネルギー商品の新たな開発を進めていくとしている。
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