建設現場の移動車を「eKクロス EV」に置き換えで年間1.67tCO2削減、東急建設ら3社:導入事例
東急建設は、建設現場への移動車両を電気自動車に置き換え、建設現場の温室効果ガス削減に取り組む。EV導入にあたって三菱オートリースとエネチェンジが、車両導入と充電器の提供をサポートする。
東急建設、三菱オートリース、ENECHANGE(エネチェンジ)は、電気自動車(EV)の活用で、建設業界の温室効果ガス排出量削減に向けて共に取り組むことを2024年3月28日に発表した。
EV置き換えで、1台あたり年間1.67トンのCO2排出量を削減
3社は、東急建設が打ち出した「エコ・ファーストの約束」で掲げた“2030年度までに温室効果ガスの排出量30%削減”を達成すべく、移動車両を電動化する取り組みを協同で進める。
各社の役割は、東急建設は建設現場でEVの導入を推進し、1台あたり年間1.67トンのCO2排出量削減を目指す。三菱オートリースは、社用車を対象にしたEVの導入準備から運用方法までを支援する独自プログラム「EV 4 CHANGE」に基づき、走行性能や安全性能に優れたEVをリース提供し、車検や点検なども含む車両管理を行う。エネチェンジは、「ビジネス・プラン」の先進事例として、納車の時期に合わせてEV充電器の設置と維持管理を担い、充電量や充電にかかる電気料金のデータ解析も担当する。
エネチェンジのビジネス・プランは、月額5500円(税込み)から利用可能なEV充電設備の導入から運用までのトータルサポートサービス。各車両の充電回数や充電量などの充電関連データを一元管理し、充電器設置拠点数が拡張した場合は、社用EVの運行管理に限らず、充電設備や法人全体のエネルギーマネジメントの支援も受けられる。
2024年3月には、東急建設の神奈川県横浜市にある谷本作業所、東京都目黒区の学芸大学総合事務所、群馬県伊勢崎市の伊勢崎作業所に、合計4台の三菱自動車の軽自動車EV「eKクロス EV」を納車し、エネチェンジの6キロワットEV普通充電器4基を設置した。
今後、三菱オートリースは、東急建設の車両導入計画に合わせて、EVの提案やリース提供を継続する。エネチェンジの充電器は、車両の増減や建設現場/作業所の変更といった使用実態に応じた設置が可能で、これからも各現場に最適な充電環境を提供していく。
持続可能な地球環境の保全は建設業界も例外ではなく、2050年のカーボンニュートラルに向け、日本建設業連合会でも、車両や重機のCO2排出量削減に積極的に取り組んでいる。工期に合わせて車両を使用する建設業界の特性上、工事期間中の移動車両には、調達の容易なガソリン車をレンタルすることが一般的。ガソリン車をEVに替えることで、走行時のCO2排出量をゼロにできるだけでなく、トンネル工事などの空気循環が良くない場所での労働環境の向上も期待される。
東急建設 価値創造推進室 サステナビリティ推進部 榊原将氏は今回の3社協業について、「当社は脱炭素、廃棄物ゼロ、防災/減災を3つの提供価値と定めている。近年の急激な気候変動と相まって、建設現場職員の脱炭素への貢献意欲は特に強く、事務所と建設現場との距離がある工事では、EVを採用したいとの声が多く上がっていた。EV導入に向けて費用や設備の準備などの課題があったが、三菱オートリースとエネチェンジの協力を得て、建設現場にEV導入のスキームを作ることができた。今後もEVの導入、切り替えを推し進め、建設業界の“脱炭素”に貢献する」とコメントしている。
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