ニュース
化学工場の定期修理で工程管理を一元化、作業員の稼働率16%向上 三菱ケミカル:現場管理
三菱ケミカルグループは、化学工場の定期修理に工程管理システムを導入した。確認作業の効率化などにより協力会社作業員の稼働率を約16%向上し、時間外労働の削減につなげた。
三菱ケミカルグループは2024年3月25日、建設業の「2024年問題」への対応として、デジタル技術を活用して化学工場の定期修理/点検をスマート化した事例を公表した。
岡山県倉敷市の三菱ケミカル 岡山事業所において、2023年、定期修理に工程管理システムを導入した。スマートフォンのアプリからでも各工程の申請や許可が確認できるようになり、確認作業の時間を大幅に削減。作業効率を向上したことで、協力会社作業員の稼働率を約16%アップし、時間外労働削減につなげた。
岡山事業所は国内最大級のエチレンプラントを核に、プラスチック製品や高機能化学品などを生産している。化学プラントは効率的な操業を行うために24時間稼働で、トラブルを未然に防ぐための定期点検や修理はまとめて行う。三菱ケミカルは定期修理の改革を目的として、工程管理システムを新たに導入し、複数のツールを使用していた工程管理をブラウザ上で一元化した。リアルタイムで進捗を確認できる他、メールでの連絡により次工程へのスムーズな引継ぎを実現し、確認作業の時間を大幅な削減を実現した。
また、定期修理の新規作業員を対象に、事業所のルールや注意点などを伝える「入門教育」についても効率化を図った。従来、事業所に来場してもらい半日かけて実施していたが、手続きから教育、試験までを全てWeb上で行えるようにした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 第6回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−:抗ウイルス・抗菌グレードのパーテーション、消毒剤による拭き掃除でも外観に変化無し
三菱ケミカルインフラテックは、受付や対面業務で飛沫防止に用いられているパーテーションパネルに採用されているアクリル樹脂板「アクリライト」の抗ウイルス・抗菌グレードとして「アクリライトBX」を開発した。 - メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2021:低周波音をシャットアウトする軽量シート建材を開発、三菱ケミカル
三菱ケミカルは、施工による打撃音やさまざまな装置が設置された機械室で生じやすい低周波音を防ぐ建材「音響メタマテリアル遮音シート TypeA」と「音響メタマテリアル遮音シート TypeB」の開発を進めている。 - マンホールをIoT計測しAIで異常検知など、下水道新技術9件を国交省が研究対象に採択
国土交通省は、2019年度のB-DASHプロジェクトと下水道応用技術研究の対象として計9件の新技術を採択した。B-DASHプロジェクトとは、新技術の研究開発および実用化を加速することで、下水道事業における低炭素/循環型社会の構築やライフサイクルコスト縮減、浸水の対策、老朽化対策などを実現し、企業による水ビジネスの海外展開を支援することを目的に、2011年度よりスタートした下水道革新的技術実証事業を指す。 - ドローン:風力発電のブレード点検アプリ「BLADE Check」にプロ向けドローン「Airpeak」が対応
センシンロボティクスの風力発電設備ブレード点検アプリケーション「BLADE Check」に、ソニーグループ製ドローン機体「Airpeak」が対応機種として加わった。 - AI:東洋建設、AIを活用し技術者の能力向上へ 評価システムと学習管理システム導入
東洋建設は建築施工職員を対象に、AIを活用した「能力評価システム」と、場所や時間を選ばずに利用できる教育プラットフォーム「LMS」を導入した。将来は能力評価データを人事データと結合し、各個人のロードマップや、能力に応じた研修プログラム、ジョブローテーションに活用する。 - 現場管理:NTT Comと竹中工務店、清水建設が労働時間を3割削減する「施工管理DX」へ 年度内に業務アプリを順次外販
NTTコミュニケーションズと竹中工務店、清水建設の3社は、施工管理で扱われるデータの粒度を標準化し、工程や作業調整、日報などの各種業務アプリの開発に、2023年度内の販売展開も視野に入れ着手した。