マンホールをIoT計測しAIで異常検知など、下水道新技術9件を国交省が研究対象に採択(1/3 ページ)
国土交通省は、2019年度のB-DASHプロジェクトと下水道応用技術研究の対象として計9件の新技術を採択した。B-DASHプロジェクトとは、新技術の研究開発および実用化を加速することで、下水道事業における低炭素/循環型社会の構築やライフサイクルコスト縮減、浸水の対策、老朽化対策などを実現し、企業による水ビジネスの海外展開を支援することを目的に、2011年度よりスタートした下水道革新的技術実証事業を指す。
国土交通省は、2019年度の「B-DASHプロジェクト(Breakthrough by Dynamic Approach in Sewage High Technology Project:下水道革新的技術実証事業)」と「下水道応用技術研究」の対象に、9件の新技術を採択した。このうち、ICTを活用した高度処理技術など4技術は、実規模レベルの施設を使って技術実証を行う。また、1つの技術は導入効果などの検討(Feasibility Study:FS調査)と、技術性能を確認する。この他、下水道応用技術研究の4事業は、応用化に向けた開発を支援する。
マンホールをIoT計測し、AIで異常の早期検知と劣化を予測
B-DASHプロジェクトは、下水道事業における低炭素/循環型社会の構築をはじめ、ライフサイクルコストの縮減、浸水対策、老朽化対策などを目的に、新技術の研究開発/実用化を支援する国土交通省の施策。実規模レベルの施設を設置した技術実証と、実証する前段階として行うFS調査の2分野がある。
このプロジェクトに併せた、下水道の応用研究では、大学などのラボレベルの研究が終了し、企業などが開発している実用化前の研究をサポートする。
今回、B-DASH実規模実証では、4事業が採択された。その一つ、メタウォーター、日本下水道事業団、東京都町田市の3者は、単槽型硝化脱窒プロセスのICT・AI制御による高度処理技術の検証を行う。
成瀬クリーンセンター(町田市)を実証フィールドとして、ICTやAIを活用した流入負荷の変動、季節変動に応じた空気量制御による単槽型反応タンクで、A2O法同等処理水質の短HRTでの達成と、空気量制御に連動した送風機吐出圧力の制御で消費電力の削減効果を実証する。
新日本コンサルタント、日水コン、エコモット、北海道大学、富山県富山市の5者は、クラウドAIを用いた汚水マンホールポンプのスマートオペレーションの検討を進める。富山市内で、維持管理データやIoT計測データをクラウドで一元管理し、AI技術により異常の早期検知と劣化予測を実現させる。実証試験では、従来技術よりも、維持管理が効率的なマンホールポンプの管理技術をテスト。
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