施工管理アプリのアンドパッド、不動産向けMAツールを提供するコンベックスを買収:産業動向
施工管理アプリを提供するアンドパッドは、住宅/不動産向けの営業自動化ツールを運営するコンベックスを買収することで基本合意した。両社のシステムを連携させることで、営業活動から施工管理、アフター管理までの業務を効率化する。
クラウド型の建設プロジェクト管理サービス「ANDPAD(アンドパッド)」を運営するアンドパッドは2024年2月8日、住宅/不動産業界に特化したマーケティングオートメーションツール「Digima(デジマ)」を運営するコンベックスの全株式を取得し、資本業務提携に向けた基本合意書を締結したと発表した。両社のシステムを連携することで、住宅/不動産事業者の営業活動の生産性向上と業務の一元管理を支援する。
システムの相互連携で反響から受注、施工、アフター管理まで一元化
両社のサービスを利用している工務店などの住宅/不動産事業者は、Digimaで管理するイベント/展示場などで得られた顧客情報と、ANDPADで管理する営業活動で得た顧客データをリアルタイムに連携させて、受注率や生産性の向上に役立てられる。また、DigimaがANDPAD製品群に加わることで、反響から受注、施工、アフター管理まで一元管理できるようになる。
Digimaは住宅/不動産業界向けに特化した営業自動化システムで、メール/SMS/LINE/IP電話を組み合わせ、マルチチャネルでの来店/来場/面談に至るまでのマーケティング活動を可視化し、顧客管理や情報共有、営業プロセスを最適化する。
一方のANDPADは、現場の効率化から経営改善までを一元管理できる現場管理アプリケーションだ。利用社数は18.1万社、ユーザー数は46.1万人を超えているという。今後はDigimaとの連携を通じ、さらに使いやすい一元管理のサービスプラットフォームを目指す。
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