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AIで墜落制止用器具の不使用者を自動検知するシステム、レンタルを開始:現場管理
西尾レントオールは、墜落制止用器具(安全帯)の不使用者を自動検知するシステムのレンタルを開始した。画像認識AI技術を活用し、フックを使用していない作業員を自動判定して通知するもので、レンタルにより現場導入のハードルを下げることで、墜落、転落事故防止を支援する。
西尾レントオールは2024年2月から、奥村組と日立ソリューションズが共同開発したAI墜落制止用器具(安全帯)不使用者検知システム「KAKERU(カケル)」のレンタルを開始した。レンタルにより現場導入のハードルを下げることで、安全な現場環境の実現を支援する。
カメラ映像による自動検知で作業負担を軽減、事故発生を未然に防ぐ
KAKERUは、画像認識AI(人工知能)技術を活用して、建設現場のカメラ映像から親綱支柱や親綱、フックを検出し、フックが親綱にかかっていない作業員を自動検知する。一定時間フックが使用されない状態が続いた場合、メールでの通知や警報などにより、不安全行動を抑止する。
施工管理者は遠隔のPC画面上で作業員の不安全行動を検知でき、管理業務の負担が軽減される。また、不安全行動の映像はクラウド上に保管されるため、作業員への安全教育や事故の傾向分析など、墜落/転落事故の防止にも活用できる。
奥村組が鉄骨建方中の建設現場でKAKERUを検証した結果、カメラと対象となる作業員の距離が15メートル以内で人や物が重なっていないという条件下であれば、フック不使用者を9割以上の精度で正しく認識できることが確認されたという。
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