賃貸住宅で住戸ごとに接続できるEV充電設備を全国展開、積水ハウス:ZEH
積水ハウスは、入居者売電方式の賃貸住宅「シャーメゾンZEH」において、住戸ごとに専用接続できるEV(電気自動車)の充電設備を設置する全国での体制を構築した。
積水ハウスは2023年12月18日、入居者売電方式の賃貸住宅「シャーメゾンZEH」において、住戸ごとに専用接続できるEV(電気自動車)の充電設備を設置する体制を全国的に整備したと発表した。
入居者の光熱費を削減しながら、EV充電不足の解消と再エネ充電を実現
今回、設置を進めるEV充電設備は、各住戸の太陽光で発電した電力を用いた充電が可能になる。太陽光で発電したものの、使用しきれなかった電気をEVに使えるため、入居者の光熱費削減にも寄与する。
太陽光発電の搭載容量が大きいほど、EVへの再エネ充電率が向上し、年間のEVランニングコストも削減可能。同社の算出によると、年間走行距離7000キロの場合のガソリン車の燃費が年間12万3000円(燃費10キロ毎リットル、ガソリン単価1リットル当たり175円で算出)なのに対し、EVでは太陽光発電なしの住戸接続で年間3万7000円、太陽光発電が2キロワットの場合で3万1000円、4キロワットの場合で2万2000円に低減できるという(土日いずれかの9〜16時で充電する場合。電費6.2キロ毎キロワット時、電気料金単価1キロワット時当たり33円で算出)。
ガソリン車と比べると、EVでは再エネ充電率が0%の場合で69%、17%の場合で74%、40%の場合で81%のCO2排出量削減が可能になるという。
積水ハウスが集合住宅の居住者に聞いたところ、直近3年間でのEV購入検討者は7割超の一方で、集合住宅に充電設備がないことで、EVの購入が難しいと考えると回答した方は約9割にのぼると判明している。そのため、住戸毎に専用のEV充電設備を整備することで、今後増えてくるEVニーズに対応できるとしている。
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