LEDでエスカレーターの「片側空け」を抑制、日立が夢洲駅向けに開発:製品動向
日立製作所と日立ビルシステムは、LED照明を利用して「片側空け」を抑止する新機能を搭載したエスカレーターを開発した。大阪・関西万博の開催に合わせて2024年度に開業する北港テクノポート線の夢洲駅に導入する。
日立製作所と日立ビルシステムは2023年12月25日、LED照明によりステップ(踏み段)の「片側空け」を抑止する新機能を備えたエスカレーターを開発したと発表した。乗り込み口などに搭載した照明で、2列利用への誘導と安全面の注意喚起を行う。
新機能を搭載したエスカレーターは、大阪・関西万博の開催に合わせて2024年度に開業する北港テクノポート線の夢洲(ゆめしま)駅向けに開発した。駅改札内に、3台並列で導入される予定だ。
LED照明で2列利用と立ち止まったままの利用を促す
エスカレーターは安全上の理由からステップ上で停止して利用することが前提だが、片方を歩行用に空ける「片側空け」が一般化している。そこで日立は、2列利用を促す「乗り込み口LED誘導照明」「ライザーLED照明」「スカートガードLED照明」の3種の新機能を搭載したエスカレーター(型式S1000VX-EN)を開発した。
新機能では、上りエスカレーターの乗り込み口付近で、ステップの踏み面に2列の立ち位置を明示するLEDを照射して2列利用に誘導する。また、歩かず立ち止まって利用してもらうため、ステップが水平から階段状になっていく位置で、ライザー(蹴上げ)にLEDを照射して段差を強調するとともに、 両脇のスカートガードで、ステップの移動スピードに合わせて照明を光らせる。
さらに、従来からオプション仕様で提供する、カバープレート(床面)に矢印を表示する埋め込みLED誘導表示器と、乗り降りの境界部分を示すコムシグナルを組み合わせることで、エスカレーターの安全な利用と輸送効率の向上を図る。
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