調査リポート
「建設業で4週8休は15.3%も、希望者は増加。過去1年で年収上がらず」助太刀総研が実態調査:調査レポート(3/3 ページ)
助太刀総合研究所は、建設業の労働時間や収入、魅力と課題などの実態を調査した。調査結果をまとめたレポートによると、2024年問題や国交省主導の週休2日の働きかけなどに伴い、週休2日以上の希望者は増加している一方で、回答者の80.3%が「過去1年で年収が上がっていない」と待遇改善に至っていない実態が明らかになった。
建設業界の魅力は、「やりがい・達成感」が最も多く、仕事で人を喜ばせることができることにやりがいや達成感を感じるといった声が多く挙がった。次点は「自分の能力次第で稼ぐことができる」で、年功序列関係無く、自分自身の技術や頑張りで稼げることが魅力に映っているようだ。
まとめ
調査結果のまとめで助太刀総研は、「週休2日確保の希望が1年前に比べて約10pt上昇するなど、社会潮流に沿って建設業でも働き方への関心が高まっている」と分析する。
収入に関しては、20代でも1000万円を超える収入が可能になる魅力的な業界である一方、30代以降は年齢上昇と収入増加に相関が見られず、収入が一定水準で停滞してしまう。
また、建設業の課題としては、「適切な単価支払に多くの意見が集まったことからも、発注者は客観的かつ適切な支払いを行う配慮、受注者は経験をどう活用するかの考慮が重要だ」と提言。さらに、「やりがいと達成感、モノづくりの楽しさといった業務内容そのものの魅力は、建設業界にとって大きなアピールポイントになる」とコメントしている。
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