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「星空保護区」でアジア初認定 南六呂師の「日本一美しい星空」を支えるパナソニックの照明技術LED(3/3 ページ)

福井県大野市の南六呂師エリアが2023年8月に、ダークスカイが定める「星空保護区」のアーバン・ナイトスカイプレイス部門で認定を受けた。取得に際して、光害に対する厳しい規定をクリアしなければならず、エリアの街路灯を全て交換したパナソニック エレクトリックワークス社は、空に光が広がらない屋外灯の技術で貢献した。

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観光資源の1つとして、星空の魅力をアピール

 星空保護区の認定は、大野市の観光にとって大きな意味がある。大野市には世界遺産や国宝級の観光資源はない。しかし“天空の城”で有名な「越前大野城」、400年以上続く城下町「越前おおの」、癒やしや縁結びの「パワースポット」など魅力的なポイントが多数ある。

 大野市長 石山志保氏は、市の魅力を「さまざまなものを組み合わせていくことでストーリーとして語れるそんな細やかな女性向けの風景がある」と話す。星空保護区の認定は、石山市長の言うストーリーをさらに強化するものとなるだろう。

「多くの方に大野のことを知っていただいて、ぜひいらしていただきたい」と語る大野市長 石山志保氏
「多くの方に大野のことを知っていただいて、ぜひいらしていただきたい」と語る大野市長 石山志保氏 筆者撮影

 美しい星空の関連では、星空保護区の認定活動前から、ミルク工房奥越前、大野市、福井工業大学の共同団体である「MOF(モフ)ネットワーク」で、「星空ハンモック」を開催している。ミルク工房奥越前の芝生にハンモックを並べ、1時間ほど夜空を眺めてもらうイベントだ。1時間に、星のソムリエや星空案内人、天文クラブの会員などによる星空解説の時間も用意する。こうした取り組みも、星空保護区の認定がイベント集客などで追い風となるだろう。

 南六呂師エリアが認定を得た星空保護区のアーバン・ナイトスカイプレイス部門は、都市に住む人が星空を楽しめる場所を提供することを目的としており、都市に近く人が訪れやすい場所が対象となる。

 南六呂師エリアは、中部縦貫自動車道が延伸し、2026年春頃には岐阜県境までつながる計画が進められている。実現すれば、東海北陸自動車道から南六呂師へのアクセスがさらに便利になる。電車でのアクセスも2024年春、北陸新幹線の金沢〜敦賀間が開業すれば、東京や長野からの所要時間が短縮される。将来は京都にも接続すれば、関西圏からも接続しやすくなる。

 南六呂師エリアは、ダークスカイが認定する星空保護区として国内4例目で、アーバン・ナイトスカイプレイス部門ではアジア初。ちなみに、本州では岡山県井原市美星町が星空保護区の認定を受けている。他の2例は、東京都の離島「神津島」と沖縄県八重山諸島の「西表石垣国立公園」。

 都市生活ではなかなか目にすることが難しくなった星空だが、大野市まで少し足を伸ばせば、美しい星空を体験できる。星空の美しさを思い出したくなったら訪れてみてはいかがだろう。

MOFネットワークが行う星空に関する催しには、雨天時の用意も。ハンモックは、ミルク工房奥越前の雨にぬれないテラスでも楽しめる
MOFネットワークが行う星空に関する催しには、雨天時の用意も。ハンモックは、ミルク工房奥越前の雨にぬれないテラスでも楽しめる 筆者撮影
星が見えない時には、屋内に設置されたプラネタリウムで
星が見えない時には、屋内に設置されたプラネタリウムで 筆者撮影
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