「関東大震災から100年、防災で家の対策が重視されていない」パナソニック ホームズが調査:調査レポート
パナソニック ホームズは、「住まいの防災」について考える取り組みとして、街頭インタビューやWebによる生活者意識調査を2023年7月に実施し、住まいの防災の重要性について広く理解を得る活動を展開している。
パナソニック ホームズは、関東大震災から100年の節目である今、「住まいの防災」について考える取り組みとして、街頭インタビューやWebによる生活者意識調査を2023年7月に実施した。
住宅の耐震補強への関心が低い結果に…
調査結果からは、住まいは生命や財産を守る基盤であるものの、防災においてさほど重要視されておらず、「家は防災上一番身近で大切なのに忘れられている」ことが明らかになった。
街頭インタビューは、木造住宅密集地域がある品川区戸越地区の戸越銀座商店街で、「あなたの防災対策、おしえてください。」とのテーマで聞き取り、「家」と回答した人は45人中1人だった。
一方でWebを介した住まいの防災に関する意識調査は、全国1030人を対象にヒアリングした。「日常生活で防災を意識しているか」の問いでは、「日常生活で防災を意識している」との回答が56.7%、そのうち「家の耐震補強」を実践できている人は36.6%にとどまった。
「防災と聞いた時に一番はじめにイメージするもの」は、1位が「食料・水の備蓄の確保」で42.7%、2位が「防災グッズの用意」で31.5%、「住宅の耐震補強」と回答した人はわずか6.8%となり、5項目中4位で「家」が重視されていないことが顕著となった。
さらに、「防災で実践していることランキング」でも、全体の半数以上が「食料・水の備蓄の確保」「ハザードマップの確認」を実践しているのに対し、住宅の耐震補強を実践している人は25.6%と、5項目中最下位だった。
また、パナソニック ホームズは、国士舘大学防災・救急救助総合研究所客員教授で元内閣府(防災担当)総括参事官の小滝晃氏にインタビューし、住まいにおける防災対策の重要性についての啓発動画「いま改めて考える防災対策(2)木造密集地域の住宅に求められる性能について(295秒)」を公開している。
小滝氏は動画内で、「災害時に燃えないということ、そして倒壊せず小規模の被害で済む強度が必要。木造密集地域の住宅には、特にこうした性能が求められる」とコメントしている。
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