「星空保護区」でアジア初認定 南六呂師の「日本一美しい星空」を支えるパナソニックの照明技術:LED(2/3 ページ)
福井県大野市の南六呂師エリアが2023年8月に、ダークスカイが定める「星空保護区」のアーバン・ナイトスカイプレイス部門で認定を受けた。取得に際して、光害に対する厳しい規定をクリアしなければならず、エリアの街路灯を全て交換したパナソニック エレクトリックワークス社は、空に光が広がらない屋外灯の技術で貢献した。
夜空に光を拡散させない、パナソニックのLED照明技術
星空保護区の認定獲得には、ダークスカイによる厳しい規定をパスしなければならない。例えば、認定取得には水平より上に光が一切漏れない“上方光束率0%”照明器具や色温度3000ケルビン以下の光源が求められる。
色温度は、数値が大きいほど寒色系の光となり、夜空に広がりやすい。色温度3000ケルビンは赤味が強い電球色で、寒色系の光に比べて夜空への拡散が少ない。
星空保護区の認定に向け、対象となる南六呂師エリアでは全ての屋外照明が見直された。そして、撤去やリプレース、取り付け方法の変更などを実施した。
認定を行うダークスカイの規定は厳格で、建物の軒下などに使われるスポットライトでは、光の角度や強さが調整できる機器はOKにならない。そのため、パナソニック エレクトリックワークス社は既存製品に手を加え、取り付け角度が変更できない固定式かつ調光操作もできない仕様のスポットライトを用意した。
「奥越高原青少年自然の家」のエントランス。完全に頭上が覆われた場所だが、ここも“屋外”の扱いになる。設置されたスポットライトは、本来は光の当たる範囲を自由に変更できる“首振り”タイプで、認定取得のため角度を変えられないようにしている 筆者撮影
施設屋外の照明も、その全てがチェックされる。申請に際しては、施設ごとに照明設置に関する図面を作り、照明器具を交換や撤去する箇所は新しい照明器具を設置する前と後の写真も必要となった。
認定取得に向け、南六呂師エリアにある道路灯と防犯灯を全て交換した。パナソニック エレクトリックワークス社は、星空に優しい照明としてスポットライト以外にもダークスカイの認定に合致した各種の照明を提供。道路照明は、既存製品を加工し、認定に合致させ、防犯灯は特注品を製造した。
他にも、取り付け角度にも配慮がなされている。防犯灯では、通常は地面に対して30度ほどの角度で設置することが多い。これを南六呂師では地面とほぼ平行になるように設置をしているという。
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