オカムラ中村社長「働く環境への投資はいまや経営課題」 フェアでオフィスの新価値提案:オフィスを「新たな価値創出の場」に(2/2 ページ)
オカムラは都内ショールームで開催する「オカムラグランドフェア2024」で、多様な働き方に対応しながら、オフィスを「新たな価値を創出する場」として機能させる新製品の家具を提案する。
個人作業の快適性とコミュニケーションを両立するテーブル
マーケティング本部長 眞田弘行氏は「優秀な人材の確保や生産性の向上、部門を超えたコミュニケーションの活性化といった、経営課題の解決には、イノベーション創出が欠かせない」と話す。オカムラのワークデザイン研究所が2023年8月に実施した調査でも、8割の回答者が「オフィス環境の改善がイノベーションを起こすことに有効だ」と答えた。また、7割の回答者が、イノベーションが起こる場所として「オフィス」を挙げている。
今回の展示では、オフィスの環境を整えることでイノベーションを起こす舞台にできるとの考えに基づき、イノベーションを創出するプロセスとして「ヒントをつかむための“交流”する場」「アイデアを“深化”させる場」「アイデアの具現化に向け“加速”させる場」の3点を整理。
各プロセスに応じた環境を提供し、イノベーションを起こすために必要な仕掛けを、オフィス家具で構成した4つのエリアを通して提案する。
新製品のWORK ISLEは、人と人との距離や位置関係に着目し、快適な個人作業と偶発的なコミュニケーションの両立を目指したテーブルシリーズだ。オカムラでは、個人作業を快適に行うために必要な距離を、人を中心に1.2メートルと定義している。豆型などの天板などをラインアップするWORK ISLEの「ラウンドテーブル」は、座る位置によって距離を調節できるのも特徴だ。個人作業を行いながら、他の従業員との緩やかなつながりも育む。
Swift Nexは、2015年に発売した電動昇降デスク「Swift(スイフト)」の機能やデザインを見直した。細い足をベースに天板の厚さを薄くして、足元空間を広く確保した他、天板面の配線口もなくし、広く使えるようにするなどの改良を加えた。
同社の調査によると、電動昇降デスクの利用者は、約6割が立ち姿勢でも利用し、座っている時でも作業内容にあわせて天板の高さを変えている利用者は8割超を占めた。さらに、天板の高さを変えているおよそ9割は、快適性や健康面、生産性の向上などで効果を感じていたという。
2023年12月には、エグゼクティブ(役員)の新しい働き方を支援する家具「PARADIGM(パラダイム)」を発売予定だ。企業の役員にもハイブリッドワークなどの柔軟な働き方が広がっているが、一方で従業員や役員間での対面の機会が減少し、意思の伝達、意思決定を行う際のコミュニケーションが不足している。
PARADIGMは、電動昇降機能付きのデスクやコンパクトな個室を設置できる壁面ユニット、オンライン会議にも対応可能なカンファレンステーブルなどを用意。従業員とのコミュニケーションを促進する役員エリアを整備することで、社内の一体感を高めることを目指す。
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