オカムラ中村社長「働く環境への投資はいまや経営課題」 フェアでオフィスの新価値提案:オフィスを「新たな価値創出の場」に(1/2 ページ)
オカムラは都内ショールームで開催する「オカムラグランドフェア2024」で、多様な働き方に対応しながら、オフィスを「新たな価値を創出する場」として機能させる新製品の家具を提案する。
オフィス家具大手のオカムラは2023年11月8日から11月29日まで、オカムラ ガーデンコートショールーム(東京都千代田区紀尾井町4-1ニューオータニガーデンコート3階)で完全招待制の展示会「オカムラグランドフェア2024」を開催する。
「今、オフィスは、イノベーションの舞台へ。」
今展は「今、オフィスは、イノベーションの舞台へ。」をテーマに、ハイブリッドワークをはじめとする多様な働き方に対応しながら、オフィスを「新たな価値を創出する場」として機能させるための、さまざまな家具を提案。2023年11月に発売した快適な個人作業と社内コミュニケーションの促進を両立するラウンドテーブル「WORK ISLE(ワークアイル)」や、体格の違いに合わせて快適な高さに調節できる電動昇降デスク「Swift Nex(スイフト ネックス)」などを披露する。
グランドフェアに先立ち2023年11月6日に開催された記者発表会・内覧会で、オカムラ 代表取締役 社長執行役員 中村雅行氏は「オフィスには、いまや新たな価値を創出する場としての役割が求められている」と提言。
そのためには「一人一人が生き生きと働いて、仲間との関係性を深められる環境づくりが重要だ」として、「企業経営の永遠のテーマであるイノベーションの創出に向けた、コミュニケーションの活性化、従業員の生産性向上、多様な人材の確保といった課題を解決するために、オフィス環境に投資するという考え方が必要な時期に差し掛かっている」と説明した。
人的資本経営が注目される中、オフィス投資は企業課題解決の糸口に
新型コロナウイルス感染症の5類移行により行動制限が緩和されたことなどに伴い、オフィスへの出社率は増加傾向にある。こうしたオフィス回帰の動きに伴い、テレワーク拡大で縮小した社内のワークスペースを、再び増やす動きも見られるという。
コロナ禍を経てテレワーク、ハイブリッドワークなど、働く場所の多様化が進んだが、「経営者にとって将来の不安につながっていた」と中村氏が指摘するのは、コロナ禍の出社制限による、従業員間のコミュニケーションの断絶だ。
解消のために、上下階に分かれていたり、壁が多く見通しが悪かったりするオフィスから、大空間に移転や統合することで従業員のコミュニケーションを促すような需要も出てきた。こうしたオフィス環境の改善・リニューアルの需要は、全国で業種や規模を問わず高まっている。
また、中村氏によると、オフィスを巡る環境は、人的資本経営への関心の高まりによっても変化しつつあるという。「オフィス環境の改善を人への投資と考え、(従業員が)生き生きと働ける環境を作ることが重要な経営課題になってきた」。
オフィスへの投資は、昨今課題になっている「人手不足」を解消する狙いもある。「キレイなオフィス」に改修することで、人材の確保につながりやすくしたいという考えだ。中村氏は「小売業などでも、店舗だけではなくオフィスにも投資する動きが始まっている」とした。こうしたオフィスへの投資の流れについて、同社は「2〜3年は続くのではないか」とみている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.