「2024年問題を約半数が把握していない」jinjerが建設業の勤怠管理を調査:調査レポート(2/2 ページ)
jinjerは、2024年問題を受け、建設業における勤怠管理の実態を調査した。その結果、約半数の回答者が時間外労働の上限規制を詳しく把握しておらず、正しく労働時間を集計できる体制構築に取り組んでいるのは4割しかいないと判明した。
約6割の企業が勤怠管理システムへの移行に関心がある
「労働時間の集計方法」は、「タイムカードやExcelによる集計」が24.7%、「日報などによる従業員の自己申告」が29.3%と、合計54%の過半数が日報やタイムカード、Excelで勤怠管理していることが判明した。
また、「タイムカードやExcelによる集計」「日報等による従業員の自己申告」と答えた人の約7割が、正確な労働時間を把握できているか不安を感じている。
「勤怠管理システムへの検討状況」を問うと、「移行を検討している(28%)」「取り組むかどうか検討している(36.9%)」と、約6割の企業が勤怠管理システムに関心を持っている結果となった。
勤怠管理システムを導入の課題TOP3は「コスト」「現場の理解」「人材不足」
既に勤怠管理システムを利用、または検討している企業を対象に、「勤怠管理システムを導入する際の課題」について質問すると、上位3つが「新たにコストが発生すること(44.3%)」「現場の理解が得られないこと(27.0%)」「推進できる人材がいないこと(25.6%)」となり、コストと人材に課題を抱えていることが見受けられた。
jinjer CPO (最高プロダクト責任者) 松葉治朗氏は、「建設業界は、他の業界・業種と比較して、多くの仕事が現場で実施されるため、従業員ごとに勤務場所が分散しやすい傾向にある。また、多くの従業員が現場に直行直帰することから、タイムカードの打刻漏れが発生しやすく、正確な勤務時間を把握することが難しい環境といえる」と指摘。
「2023年に原則義務化された建設キャリアアップシステム(CCUS)や2024年問題など、人手不足が慢性的な中でも建設業界は安全管理と勤怠管理を中心に、新しい取り組みや課題に対応し続けなければならない。こうした課題を背景に、勤怠管理においては場所を選ばずスマホなどでリアルタイムで打刻ができるクラウド型のシステムが人気を集めつつある。ジンジャーが目指すのは、最前線の人事担当者がストレスなく、最新の便利な機能を使用できる環境の提供だ」と展望を語る。
【2024年問題】建設業における勤怠管理の実態調査概要
集計期間:2023年9月9〜11日
調査方法:インターネット調査
調査対象:建設業に携わる企業の人事担当者、総務担当者、経営者413人
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