ゼネコンら13社が人力による「杭の簡易載荷試験」の管理団体を設立:施工
ゼネコン13の法人は、杭(基礎杭)の簡易載荷試験に関する「人力による『杭の簡易載荷試験』」の管理団体を設立した。
淺沼組、奥村組、熊谷組、五洋建設、佐藤工業、西武建設、東亜建設工業、東京ソイルリサーチ、戸田建設、西松建設、長谷工コーポレーション、ベターリビング、松村組ら計13の法人は、共同研究の成果である杭(基礎杭)の簡易載荷試験について、その管理団体「杭の簡易載荷試験協会」を設立した。
従来法で500万円のコストが20万円で完了
杭の簡易載荷試験は、杭頭に人力で打撃を加えるだけで杭の荷重変位関係を評価できる新しい試験方法(特許第7046126号)。ハンマーで杭頭を打撃した際の瞬間的な荷重と、その際にモーションセンサーから出力される瞬間的な杭頭の動きの比例関係から荷重変位関係を評価する。本試験方法に関わる知的財産について、杭の簡易載荷試験協会は共同研究メンバー13法人の代理で活動し、第三者からの問合せ対応や特許の実施許諾をワンストップでスムーズに行う。
杭の施工不良が原因とされる建物の傾斜が報道で大きく取り沙汰されて以降、杭の性能確認への関心は高まっている。近年では、経済的合理性と環境負荷低減の両面から、解体新築物件における既存杭再利用のニーズが増大しており、このようなケースでも(既存)杭の性能確認が必要とされる。
主な特長としては、大掛かりな載荷装置を必要とせず、ローコストでスピーディーに杭の荷重変位関係が評価できる(水平載荷、鉛直載荷とも)。共同研究で試験を実施した条件では、従来法で500万円の費用と4週間の期間を要した試験、2人の人員で30分以内、20万円の費用で完了した。
従来よりも容易に多くの杭の性能確認をすることができるため、建物の傾斜を防止し、また既存杭の再利用に関する安全性が向上するなどのメリットが期待される。
人力による小さい荷重範囲での載荷試験で、杭と地盤に影響を与えない完全に非破壊の試験技術となる。
今後の展開では、杭の簡易載荷試験協会の一員として、試験方法の積極的な普及を図り、建築/土木を問わず、杭の品質・性能確保に努める。
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