「Building Together Japan 2022」全体概要レポート BIMに関わる20余りのセッションを展開:Building Together Japan 2022(4/4 ページ)
グラフィソフトジャパンは、大規模オンラインイベント「Building Together Japan 2022」を開催し、「Archicad」の最新版プレゼンをはじめ、BIMに関する総計20ものセッションが繰り広げられた。
Cチャンネル:Archicadへの挑戦はまずここから
ArchicadとBIM初心者のためのCチャンネルでは、建設業界の多様な分野からArchicadユーザーの講師が集まり、6つのArchicad入門篇セミナーを配信した。
最初は、実績豊富な建築事務所 道脇設計室が「Archicadを購入したら、まずはこの使い方!」と題し、初心者のための実戦的なArchicad運用法を具体的にレクチャーした。特にモデリングからドキュメンテーション、シミュレーション、コラボレーションまでの4ステップの頂点を究めることだけでなく、その成果をできるだけ早い段階から実務に生かすことが重要だというメッセージを投げかけた。
次に、久保田章敬建築研究所と峰設計から3氏が登場した「アトリエ系事務所のBIM活用現状と未来に向けた連携について」では、国土交通省のBIMモデル事業に選ばれた事例と展望を語った。なかでも、2Dと3Dを適材適所で組み合わせて進めた基本設計やBIMcloudを用いた共同作業による実施設計について詳説した。
また、リン・アンド・リンパートナーズとグラフィソフトジャパンは、「BIM Classes まるわかりガイド」のテーマで講演した。BIM ClassesとはArchicadの最適な使い方とBIMを学べるオンラインのトレーニングプログラム。
リン・アンド・リンパートナーズのBIM Classes講師代表によれば、その特長は、初級/中級/上級とレベルに合わせて学べるコンテンツの充実と、場所を選ばず効率的に受講できる点にあるという。しかも、演習では全員の操作完了を確認して進めるなど、丁寧な対応を心掛けている。
「インテリア教育とBIM」のタイトルのもと、鹿光学園 青山製図専門学校 インテリア学部の主任教諭が、教え子の学生2人とともに壇上に立った。同校インテリア学科がBIMを導入した背景や授業でのArchicad活用方法などに加え、運用上の利点と課題についても、教員と学生それぞれの立場から具体的に語った。
「We are not alone!全国にいる仲間たち」では、全国各地の「Archicadユーザーグループ」を紹介した。
ユーザーグループは、Archicadユーザーの「私のやり方は正しいのか?」「より良い方法があるのでは?」「他のArchicadユーザーと話したい!」といった声に応えて、全国13のグループが誕生した。各グループでは、勉強会やFaceBookを利用した情報交換などを行っている。さらに、年に一度のユーザーイベント「USERFEST」やユーザーコミュニケーションの場「GRAPHISOFT Community」も用意されている。
そして、Cチャンネルの掉尾を飾ったのが奥村組の「スタートアップ施工BIM」。ゼネコン 奥村組の発表は、「日常使いのBIM」による施工BIMのユースケースで、最先端の研究施設や重要文化財の改修工事という2つの対照的な事例を通して解説した。
こうしてA・B・Cチャンネルの総計20ものセミナーが全て終了すると、最後にチャットを通じユーザーから寄せられた質問に回答する「Q&A」コーナーを展開した。演台にグラフィソフトジャパンのスタッフたちが勢ぞろいして、8件の質問に答え、この一大イベントのエンディングを大いに盛り上げた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 作業プラットフォームとして機能拡張した“Archicad”で広がる「BIMの木」
梓設計は、GRAPHISOFTのオンラインイベント「Building Together Japan 2020」で、「設計者をつなぐBIM」のテーマで講演を行った。梓設計によれば、設計効率的なワークフローを実現するBIMでは、設計者、経験、技術の3つがつながり、スピードや品質が向上するという。 - BIM:「長谷工版BIM」と建材の検索プラットフォーム「Arch-LOG」が連携
長谷工コーポレーションは2020年からマンションの設計で全物件100%BIM化した長谷工版BIMをより深化させるため、丸紅アークログの総合検索プラットフォーム「Arch-LOG」とデータベース連携をさせる。マンション内外装の仕様決めで、関係者間との情報共有やスピーディーな意思決定が可能となる。 - VR:VR空間で3Dモデルを修正できる「SYMMETRY」、自動翻訳の次はBIM対応
米Symmetry Dimensions(シンメトリーディメンションズ)の建築設計向けVRソフトウェア「SYMMETRY」のVer1.2が2019年5月20日にリリースされた。新バージョンでは、多言語への翻訳機能に加え、複数人でのデザイン確認や建築プレゼン時のコミュニケーション機能がアップデートされた。 - 竹中工務店とグラフィソフトが戦略的パートナーシップを締結
BIMソフトウェアベンダーのグラフィソフトジャパンは、竹中工務店と、BIM推進を目的とした戦略的パートナーシップを結んだことを発表した。 - BIMの可能性「BIM×FM」:日本郵政の本社移転で試された、BIMによるオフィスビルのファシリティマネジメント
日本郵政グループ本社は2018年9月、霞が関から、大正時代から遁信省があったゆかりのある大手町へと、50年ぶりに本社機能を移転した。グループ社員6000人が一度に移転する一大プロジェクトで、最近のBIM(Building Information Modeling)のトレンドとなっているBIMモデルを活用したFM(ファシリティマネジメント)も試みられた。