「長谷工版BIM」と建材の検索プラットフォーム「Arch-LOG」が連携:BIM
長谷工コーポレーションは2020年からマンションの設計で全物件100%BIM化した長谷工版BIMをより深化させるため、丸紅アークログの総合検索プラットフォーム「Arch-LOG」とデータベース連携をさせる。マンション内外装の仕様決めで、関係者間との情報共有やスピーディーな意思決定が可能となる。
長谷工コーポレーションは、丸紅アークログが行う第三者割当増資を引き受けることに合意し、2021年10月22日付で総額4億9980万円を出資した。
マンションの設計で100%BIM化
長谷工コーポレーションは2012年より、品質・生産性の向上や意思決定の迅速化、多角的な設計の実施などをはじめとするビジネスモデル全域での活用を目的に、「長谷工版BIM」を推進している。
長谷工版BIMでは、3Dモデルに、仕上げや管理情報などの属性データを追加した建築物のデータベースで、意匠・構造・設備・外構などの図面を一元化したフルBIMモデルに加え、関連する業務とのデータの受け渡しを行うためのさまざまなツールを整備している。2020年4月からは原則、マンション案件の設計は全てBIM化し、現在は施工でのBIM活用も適用範囲を順次広げている。
今回の業務提携強化により、東京都江東区にある長谷工の自社ビル内に設けたプレゼンテーションスペース「LIPS(Living Image Presentation Space)」に展示しているマンションの建材商品を、丸紅アークログが運営する建築建材の総合検索プラットフォーム「Arch-LOG(アークログ)」上に3Dモデルでデータベース化する。BIMを介したオブジェクト利用や仕様決めなど、長谷工グループ全体でArch-LOG上の建材情報を活用することで、関係者間の情報共有がスムーズとなり、意思決定の迅速化も期待できる。
Arch-LOGには、約120万点(2021年10月時点)の建材が登録されており、複数メーカーの製品を比較しながら選定できる。さらに、BIMソフトにArch-LOGプラグインでダウンロード可能な「3DBIM」をはじめ、選定した建材を貼り付けられる「デジタルマテリアルボード作成機能」、高精細CG画像もリアルタイムで生成する「BIMレンダリング機能」も実装。プロジェクト全メンバーが参加して、施主や顧客へ3Dモデルや3D CGでの仕様提案ができるなど、Webベースでのプロジェクトを見える化。これにより、正確な情報共有や合意形成が可能となり、作業時間の大幅な短縮による生産性の向上が期待できるほか、紙カタログなどの削減にもつながりる。
また、竣工前の企画から設計、施工に至るまでの進捗管理、使用建材の各製品データ(取扱説明書・耐用年数)など詳細な建物情報はデジタルベースで一元管理。さらに竣工後、各製品の交換時期をメールで知らせる「メンテナンスアラートサービス」、BIMとの連動により設計から施工までをシームレスに橋渡しする「仕上表機能」も搭載する予定。
長谷工コーポレーションと丸紅アークログは、先立つこと2020年1月に業務提携を締結しており、今般の出資により、長谷工版BIMを利用したDXをさらに深化させ、建材商品の情報共有ツールを超えたマンションのビジネスモデル全領域での高次利用を図るとともに、業界全体のDXを見据えている。
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