清水建設が東名高速の橋床版工事にマーキングロボットを導入、墨出し作業で生産性が9割向上:ロボット
ユニオンテックは、建築内装CGパースを無料で制作依頼できる「PersGPT」の提供を開始した。
清水建設は、グループ会社の日本道路の協力を得て、東名高速道路所領橋他2橋床版取替工事にデンマーク製の自動マーキングロボット「タイニーサーベイヤー(Tiny Surveyor)」2台を導入したと2023年4月19日に明らかにした。
測量工13人/日の人工がロボット2台で1.5人/日に省人化
高速道路の床版取替工事は、通行車両の交通規制を伴うため、工期短縮が求められている。そのクリティカルパスの1つが、残置構造物を切断機械で損傷しないように、老朽化した床版の切り出し線を橋面に引くマーキング作業。現状は膨大な作業が人手で行われており、しかも中腰で行う苦渋作業となっている。
そこで清水建設は、タイニーサーベイヤーの機能に着目し、日本道路と共同で実施した性能試験により、所定の測量やマーキングの精度を確認したため、中日本高速道路発注の東名高速の工事への適用を決めた。
タイニーサーベイヤーは、600(幅)×700(高さ)×800(奥行き)ミリと小型の3輪構造ロボットで、制御ソフトを内蔵するタブレットと自動追尾型トータルステーション(TS)がセットとなっている。
使用手順は、床版切り出し線のマーキング作業に必要な測量精度や自律走行のルールを設定し、マーキングポイントの2次元座標とともに制御ソフトに入力。作業では、TSが取得するロボットの現在位置の2次元座標をもとに、制御ソフトがロボットを所定の場所に誘導してマーキングを指示する。動力源はバッテリーで、400mLの線引き用スプレー缶をセットすれば200メートルのライン引きが可能になる。
今回の工事では、約2250平方メートルの橋面に点在する1077点の測量ポイントがマーキングの対象となった。ロボット2台を投入し、測量工13人/日を想定していた作業が1.5人/日で済み、コスト増なく、生産性が約90%向上した。
両社は今後、床版取替工事や空港などの大規模舗装工事にタイニーサーベイヤーを導入していく。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- ロボット:1000m2のコンクリ散水養生の乾湿状況を30分で判定するロボット 奥村組がユアサ商事と2024年度に一般販売
奥村組は、ユアサ商事と共同で、コンクリート打設後の散水養生で、乾湿状況を自動で認識するロボットを開発した。 - ロボット:アイリスオーヤマ、業務用全自動床洗浄ロボットの国内販売開始
アイリスオーヤマは、Gausiumの業務用全自動床洗浄ロボット「Scrubber 50 Pro アイリスエディション」の国内販売を開始する。同ロボットは、特にタイルの床面や雨天時の足跡の汚れなどの清掃に適する。 - ロボット:戸田建設、ロボットと人のエレベーター同乗連携に関する実証実験
戸田建設は、ZMPおよび日立ビルシステムと共同で、ロボットと人のエレベーター同乗連携などに関する実証実験を実施した。宅配ロボットが屋外から建物内に入り、人とエレベーターに同乗した後に3Fのオフィスに荷物を配達するものとなっている。 - ロボット:鉄筋結束の自動化ロボ「トモロボ」が米国規制に対応
建ロボテックは、鉄筋結束を自動化するロボット「トモロボ」を米国の各種規制に対応させ、米国市場で本格的に販売を開始する。 - ロジスティクス:京都府南部エリアで野村不の高機能型物流施設「Landport 京都南」が供用開始、島津製作所の一棟利用
野村不動産は、京都府向日市鶏冠井町で建設中の高機能型物流施設「Landport(ランドポート)京都南」が供用を開始した。 - 第7回 ジャパンビルド−建築の先端技術展−:ビプロジーが提案するビル管理のDX 巡回型ロボットでFM業務を効率化
現状でビル管理は、人力によるアナログで行われている業務がまだ多い。ビプロジーは、点検ロボットが取得したビル運用に関するデータを一元管理し、ビルの運用/維持管理をデジタル化するソリューションを提供している。