全従業員に“DX教育”で建設業務の効率化や営業提案力を強化、大和ハウス工業:建設業の残業上限規制
大和ハウス工業は、全従業員1.7万人を対象に、DX教育を実施し、建設業務の効率化や営業提案力の強化に取り組んでいる。
大和ハウス工業は2022年11月2日、同年8月から全従業員1.7万人に対して、デジタルトランスフォーメーション(DX)教育を実施し、建設業務の効率化や営業の提案力向上に取り組んでいると発表した。
DXに関する3時間の社員向け講義をスタート
DXに注力する背景としては、2024年4月には労働時間の上限規制など、働き方改革関連法が建設業にも適用される差し迫った要因がある。大和ハウス工業でも業務効率化が求められており、組織全体でDXを進めることが課題となっている。
そのため、大和ハウス工業ではDXを正しく理解し、活用してもらうことを目的として、全従業員1.7万人を対象に、DXの定義や主要デジタル技術などの知識を得られる3時間の社内向け講義を開始した。
また、各部門から選抜された約600人に対しては、DXプロジェクトの進め方や役割分担に関して、5時間程度の講義も追加で行っている。
大和ハウス工業のこれまでのDXの取り組みでは、現在では既に達成している設計の完全BIM化を目標に2017年4月、「BIM推進室」を発足させたのを皮切りに、建設現場の全工程をデジタルデータで一元管理する「デジタルコンストラクション」の試み、直近の2022年4月には仮想空間上の住宅展示場を自由に見学できる「メタバース住宅展示場」を公開するなど、DXをさまざまな角度から進めている。今後、大和ハウス工業では、営業、設計、施工、工場を含めた組織全体のDXを推進し、建設現場の効率化やデジタルによる提案力の強化など、企業の競争力向上を図っていくと表明している。
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