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大和ハウス、拘束材に木質材料を使用した座屈拘束ブレースを開発:耐震
大和ハウス工業は、大規模な商業施設や事務所に適用可能な耐震部材「木鋼ハイブリッドブレース」を開発した。「日本初」(同社)となる拘束材に集成材を使用した座屈拘束ブレースである。
大和ハウス工業は2019年8月8日、大規模な商業施設や事務所に適用可能な耐震部材「木鋼ハイブリッドブレース」を開発したと発表した。「拘束材に集成材を使用した座屈拘束ブレースは日本初」(同社)だという。2019年6月21日に日本建築総合試験所の建築技術性能証明を取得し、特許も出願済である。
当技術は、地震力に抵抗する平鋼の芯材を集成材の拘束材で補強することで、地震の際の座屈を防ぎ耐震性能を発揮する。拘束材にヒノキやカラマツなどの木質材料を使用することで、鉄骨造でありながら木のぬくもりが感じられる空間を演出できるという。
また、座屈拘束材にモルタルや鋼材を用いる従来の鉄骨構造座屈拘束ブレースと比べて、座屈拘束ブレース製造時の二酸化炭素排出量を最大で65%低減した。
現在、環境問題や地方創生の観点から建築物の木造化、木質化が促進されており、非住宅系木造建築物の着工床面積は増加傾向だ。大和ハウスでは今後、木鋼ハイブリッドブレースの自社施設への導入をはじめとし、店舗や事務所への採用を提案するとしている。
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