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三井住友建設が洋上浮体式太陽光発電の技術実証を実施、実用化は国内初:カーボンニュートラル
三井住友建設は、東京都江東区海の森にある「海の森水上競技場」の指定水面で、洋上浮体式太陽光発電の開発を進めている。なお、浮体式太陽光発電の実用化は国内初だという。
三井住友建設は、東京都が計画する「東京ベイeSGプロジェクト」の先行プロジェクトで、公募テーマの1つである「最先端再生可能エネルギー」に対し同社が提案した「洋上での浮体式太陽光発電」が事業採択されたことを2022年12月19日に発表した。
複数の浮体システムや洋上に対応した浮体と係留システムの設計・設置を実施
先行プロジェクトは東京湾の中央防波堤エリアで実施され、三井住友建設は東京都江東区海の森にある「海の森水上競技場」の指定水面で、洋上浮体式太陽光発電の社会実装に取り組む。
具体的には、複数の浮体システムや洋上に対応した浮体と係留システムの設計・設置を行うだけでなく、電気設備への塩害の影響検証を実施する。加えて、洋上、陸上といった異なるタイプの浮体システムが持つ発電量などを比べる。
なお、三井住友建設では、これまでにため池をはじめとする淡水域での浮体式太陽光発電を推進してきたが、国内初となる実用化を目指した海水域での取り組みとなる。
また、同社は、「中期経営計画2022-2024」の基本方針で「成長分野への挑戦」を掲げ、サステナブル社会に向けた取り組みを強化している。今後は、再生可能エネルギー事業の発電規模目標(2024年は40MWで、2030年は150MW)の実現に向け、水上太陽光発電の普及と適用先拡大を推進していく。
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