戸田建設が東京都の電力計画に参画、太陽光発電の環境価値をデジタル通貨に:RE100
戸田建設は、東京都の「次世代電力システムによる電力データ活用モデル構築に向けたプロジェクト」に参画し、同社グループ社員が保有する太陽光発電で、自家消費分の電力に含まれる環境価値を抽出し、デジタル通貨に変換して、提供するスキームについて実証している。
戸田建設は、東京都が行う「次世代電力システムによる電力データ活用モデル構築に向けたプロジェクト」に、エナリスやマルイファシリティーズと共同で採択されたことを2020年8月に発表。その後、エナリスのP2Pブロックチェーンプラットフォームをベースに、現行制度上で実現可能な電気や環境価値のP2P電力取引プラットフォームの構築に向けた実証に取り組んでいる。
プロジェクトは具体的には、P2P電力取引プラットフォームを利用し、発電事業者や太陽光発電プロシューマーから電力環境価値を調達し、RE100企業への販売やデジタル通貨を提供するスキームについて実証を行う。また、太陽光発電に含まれる自家消費分から環境価値を抽出し、戸田建設に供給するスキームも検証する。
さらに、デジタル通貨ブロックチェーンとの連携により、太陽光発電の自家消費分に含まれる環境価値をデジタル通貨に変換し、プロシューマーに提供するスキームについて実証を進める。
戸田建設では、今回のプロジェクトを通じ、都内在住の同社グループ社員が保有する太陽光発電で、自家消費分の電力に含まれる環境価値を抽出し、デジタル通貨に変換して提供するスキームを検討する見通しだ。
P2P(Peer to Peer)電力取引とは、個人間での電力取引を指す。太陽光発電や蓄電池などのエネルギーリソースを所有する個人と法人が、電力を必要とする需要家に対して直接電力を供給する取引形態。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 戸田建設らが福島県で創蓄システムの実証実験、使用電力の55%を再エネに
戸田建設は、佐藤工業や村田製作所とともに、福島県で、建設現場での再エネ活用と移設容易な創蓄システムの実証実験を進めている。戸田建設と佐藤工業の拠点に、「All-in-One 蓄電池システム」を採用した創蓄システムを導入した結果、使用電力のうち55%を再エネにすることに成功した。 - 戸田建設が旧本社ビル解体工事の建機にGTL燃料を採用
戸田建設は、軽油代替燃料「GTL燃料」を建機に使用することで、CO2排出量の削減を進めている。 - 社員の太陽光発電を工事現場の電力にも活用、戸田建設
戸田建設は、再生可能エネルギーで調達した電力を事業所や工事現場で使用する取り組みを推進している。 - CO2排出量を65%削減する低炭素型コンクリ、建材の性能証明を取得
戸田建設と西松建設は、製鉄所の副産物である高炉スラグ微粉末をセメントの代替材料とした低炭素型のコンクリート「スラグリート」を開発した。このほど、日本建築総合試験所で建材としての技術性能が証明されたことで、両社は二酸化炭素の主たる排出源となっているセメント使用量を低減できるメリットを生かし、建設分野での適用をさらに進めていく。