専用接着テープ「3M VHB テープ」初、製造現場の自動化を促進するシステムが登場:製品動向
スリーエム ジャパンは、家電や特装車、産業機械などの多様な製造現場で使用する自動化システム「3M オンデマンド ボンディング システム」と専用の接着テープ「3M VHB エクストルーダブル テープ」をリリースすると発表した。新製品の投入により、2027年までに自動化設備の導入を含む案件の売上を10倍に拡大したい考えだ。
スリーエム ジャパンは2022年11月29日、家電や特装車、産業機械などのさまざまな製造現場で使用する自動化システム「3M オンデマンド ボンディング システム」と専用の接着テープ「3M VHB エクストルーダブル テープ」をリリースすると発表した。
作業の簡易化、迅速化で、人手不足を解消し、製造現場のイノベーションを促進
自動化システムは、接着やコーディング関連機器のマーケットリーダー企業のノードソンとの協働で誕生した。テープ専用として開発されたProBond Adhesive systemを使用して塗布する。設備はノードソンが販売し、塗布用のアームロボットはユーザーが自由に選択できるとしている。
また、大型で複雑な接着剤塗布装置とは異なっており、交換部品が少なく、小型でシンプルな設計のため、製造現場の組み立てラインに簡単に統合することができる。複雑な曲面や不規則形状や異なる素材の接着も可能となっており、ストレッチリリース技術による再剥離も可能。リサイクルの観点から、持続可能な製品の製造を実現する。
テープはネジやリベット、ボルト、溶接など従来の接合方式に代わる新しい接合方法として40年以上の実績を残してきた。その実績は輸送機や金属加工、建設・土木など、多岐にわたって採用されており、実力も高く評価されている。今回の製品は、慢性的な人手不足に悩む製造現場の課題解決に向け、3M VHBテープでは初となる接着、接合工程の自動化が実現したとしている。
スリーエム ジャパンは新製品により、2027年までに自動化設備の導入を含む接着や接合案件の売上を10倍以上に拡大したい考えだ。
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