施工時間100分の1、“貼り付けるだけ”3Mの「さび止めテープ」:新建材
3Mは、テープを貼るだけでさび止めが実現するテープを開発した。一般的な防さび塗装と比較すると、養生などの工程が無いため、作業時間は100分の1に短縮され、作業者の熟練度にも左右されず、誰でもサビ対策が行えるようになるという。
スリーエム ジャパンは2019年12月20日、金属構造物のさびを防ぐ「3M さび止めテープ 4410」を発売する。貼り付けるだけの簡単施工で、工期短縮をもたらし、人手不足が叫ばれる現場での省力化につながる。
メッキスプレー以上のさび止め効果
これまで、ガードレール支柱や配電盤キュービクルなどの金属構造物のさび対策や補修は、塗装やスプレーを使用することが一般的だった。しかし、養生や重ね塗りなどの作業工程が多く、インフラの老朽化が進み補修作業が増える一方、職人が常に足りない現場では負担となっていた。
3Mのさび止めテープは、浸水を防ぐ独立発泡構造を基材に採用しているため、高い防水性を有している。テープを貼り付けるだけのカンタン施工で、さびから守り、防さび塗装に比べ作業時間は100分の1にまで削減される。
実証実験では、さび止め塗装と比較。従来手法では、養生や乾燥を含め、施工に36時間かかっていたが、3M さび止めテープ 4410を使うと、施工時間は30分に短縮した。実際に貼る際は、テープ基材の柔軟性が高いため、凹凸面へ容易に追従する。塗装のように塗りムラも起きず、経験による仕上がりのバラつきも出ないため、初心者でも簡単にさび防止策が施せる。
また、工事完了後のことを考慮すると、防さび塗装は2〜3年ごとに塗り直しが必要となるが、3Mのさび止めテープであれば、独自開発した高耐久性特殊フィルムによって、高い耐候性と耐久性を備えているため、塗装以上のさび止め効果を発揮する。
主な用途は、ガードレールなど鋼管柱の地際部や配電盤などの鋼製構造物、太陽光パネルの架台や地際部といった箇所への防さび対策で採用が見込まれる。
3M さび止めテープ 4410のカラーは白とグレー。サイズは幅150ミリの10メートル巻きと、300ミリの10メートル巻きの2種類。価格はオープン。
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