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貼るだけシートで日本のインフラを強靭に、3Mが土木事業を強化スマートシティ(1/3 ページ)

日本で大きな課題となっているインフラの老朽化。政府も本腰を入れており、今後も全国でインフラ改修の需要は高まる見込みだ。スリーエム ジャパンはこうした需要拡大をターゲットに、同社の土木分野製品の拡販を目指す方針だ。狙うのは“コンクリートの高品質化”ニーズだ。

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 スリーエム ジャパン(以下、3M)は2016年5月23日、東京都内で会見を開き、インフラなどの土木分野向け製品の販売を強化すると発表した。日本国内で進むインフラ改修による需要拡大を見込み、特にコンクリートの高品質化に貢献するテープ・接着剤製品の販売を強化していく方針だ。

 日本国内にある橋梁やトンネルといったインフラの多くは、高度経済成長期に建設されたもので、現在その老朽化が大きな課題となっている。さらに2011年3月には東日本大震災が起こり、日本のインフラに対する意識を改めて見直す契機となった。このような状況を受け、政府は2014年6月に「国土強靱化基本計画」を閣議決定し、新しいインフラ構築に向けた取り組みを加速している。


スリーエム ジャパン テープ・接着剤製品事業部 事業部長 中村武彦氏

 こうした背景により、今後日本の各地でさまざまなインフラの改修が進んでいくと見られる。そしてこうしたインフラ改修において、最も使われるものといっても過言ではない材料がコンクリートだ。その高品質化や耐久性の向上は、次の数十年を支えるインフラを構築するうえで重要ポイントになる。3Mではこうした需要を見込み、コンクリートの施工時に利用する同社のテープ・接着剤製品の拡販に注力していく。

 「日本国内では老朽化を背景としたインフラ改修の他、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた建設需要の拡大も見込まれている。土木インフラ市場を成長分野と捉え、われわれの社内にある『国土強靱化プロジェクト本部』との連携も推進しながら、コンクリートの高品質化を実現する3Mのテープ・接着剤製品の拡販を強化していきたい」(テープ・接着剤製品事業部 事業部長 中村武彦氏)

コンクリートの性能を決める「養生」

 では「コンクリートの高性能化・高品質化に貢献するテープ・接着剤」とは、具体的にどういうものなのか。鍵となるのはコンクリート施行の際に行う「養生(ようじょう)」というプロセスだ(図1)。


図1 コンクリートが固まる仕組み(クリックで拡大)出典:3M

 コンクリートとは、水とセメント、砂、砂利を練り混ぜて型に流し込み、締め固めたもののこと。水とセメントの水和反応によって硬化する。そして、この水和反応の具合がコンクリートの強度や品質に大きく影響する。そこで品質や強度を保つため、施工現場で流し込んだコンクリートがある程度固まって型枠を外した後に、断続的に水をかけるなどして湿潤に保ち、良質な水和反応を促すのが養生というプロセスだ。3Mが展開するコンクリート施行現場向けのテープ・接着剤は、この養生プロセスの効率化や高品質化への貢献を目指した製品である。

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