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設計初期にZEB化検討、BIMとOpenStudioの“省エネシミュレーター”を東急建設が開発した狙いZEB(2/2 ページ)

東急建設は、建設分野でのCO2削減対策の1つZEB普及に向けて、BIMを活用した設計の初期段階で、1次エネルギー消費量やコストを含めた複数の設計案を比較検討できる独自のシミュレーションツールを開発した。

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解析プロセスの自動化で今まで以上の複数提案が可能に

 これまで、省エネ計算の手法では、面積や仕様といったバラバラの情報を集め、全てをExcelに転記しなければならなかった。必要な情報を収集した後は、建築研究所が提供している建築物のエネルギー消費性能計算プログラム「WEBPRO」で計算して確認していた。仮にその時点で目標数値に達していなければ、修正した設計案から必要な情報を再び探し、計算するというサイクルを何度も繰り返す手間が生じていた。そのため、2〜3の案を同時に作成するのが限界で、施主からの要望を聞き取って再提案するにも1〜2週間を要した。


従来のワークフロー 提供:東急建設

 しかし、TC-BES導入によって、提案作成から計算までの解析プロセスが自動化されることで、同時に数十案を提案可能になり、施主の要望を反映するまでの期間も迅速化され、顧客に対する付加価値の創出も見込める。特にエネルギーシミュレーションでは、面積を拾うのが一番時間がかかるため、BIMモデルからTC-BESへ一気に算出されれば、業務効率化にもつながる。


「TC-BES」導入後のワークフロー 提供:東急建設

 今後の展開では、竣工後の運用フェーズでも、TC-BESのデータを利活用することも視野に入れている。シミュレーション時の値と実数値を検証して、改修工事や別案件の設計にフィードバックして、設計の初期段階でありながら省エネ性能の精度を高める「設計→運用→改修/設計」といったエネルギーマネジメントのサイクル構築を目指す。

 東急建設 建築事業本部の担当者は、「当社はBIMをプラットフォームと捉え、積算の自動化、維持管理でのBIM活用、PCa部材製造の自動加工、構造・設備を統合した“BIMファーストモデル”の全建築作業所への投入などを順次進めており、建築事業のデジタルシフトを確実に実行していく。ZEB/ZEHに関しては、当初の目標年度だった2030年度を前倒しして、2025年度までにZEBとZEHで50%以上を達成したい」と展望を話す。


東急建設が描く、BIMをプラットフォームとした建築事業のデジタルシフト 提供:東急建設

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