日立の標準型エレベーター「アーバンエース HF」を3DCGで仕様検討する「3D Design Simulator」公開:3DCG
日立製作所と日立ビルシステムは、標準型エレベーター「アーバンエース HF」の乗りカゴや乗り場の仕様をWebサイト上の3DCGで検討できるシミュレーター「3D Design Simulator」を公開した。
日立製作所と日立ビルシステムは、エレベーターの完成イメージをWeb上で容易に作成し、確認できる「3D Design Simulator(3次元デザインシミュレーター)」を開発し、日立ビルシステムのWebサイトで2022年4月に公開した。
直感的な操作でEVの完成イメージを作成
3D Design Simulatorは、専用Webサイト上で、最新の標準型エレベーター「アーバンエース HF」の乗りカゴ内や乗り場の仕様を一覧から選択し、実機を細部まで再現した3次元コンピュータグラフィック(3DCG)で完成イメージを確認できるツール。エレベーターの天井・壁・床の色・素材に加え、操作盤をはじめとする部品をワンクリックで自由に組み替えて完成イメージを作成し、拡大・回転させられる。
ビルの計画・設計を行う施主や設計会社、建設会社などが、手持ちのPCで3D Design Simulatorを利用してエレベーターのデザインをいつでも自由に検討し、ビルの空間デザインとの整合性を確認するといったことが可能になり、設計・建築の工程短縮や品質向上に貢献する。
3D Design Simulatorの利用にあたっては、専用のデザインソフトなどは不要で、汎用PCからWeb上で操作する。シンプルな画面構成で、アイコンや画像ボタンを多用したGUI(Graphical User Interface)を採用しているため、専門知識がなくても直感的に操作できる。
作成した完成イメージは、ボタン操作で、拡大や縮小、3次元での回転(アングルの変更)、上下に走行する際のイメージ確認などが行え、さまざまな観点からのデザイン検証が実現する。
対象となる標準型エレベーター「アーバンエース HF」は2021年4月19日に国内で販売を開始したニューモデル。日立昇降機製品やサービスの開発コンセプトである「HUMAN FRIENDLY(HF)」に基づき、世界的なプロダクトデザイナーの深澤直人氏が意匠を監修。従来モデルにはないシンプルな内装の「CLEAN」と、木目柄とシルバー色の組み合わせで落ち着きと開放感のある空間を実現した「CLASSIC」の2系統の推奨デザインを用意している。3D Design Simulator上では、2系統の推奨デザインをベースに、天井・壁・床の色や素材、部品を組み替えて仕様を検討する。仕様が決まったら、PDF形式での仕様書出力にも対応している。
3D Design Simulatorの3D CGでは、建築物の透視図(パース)で手前のものをより大きく描くなど、遠近感を意図的に操作して臨場感や迫力を出す手法「オーバーパース」をあえて排している。人の目の視野角を再現し、現実の見え方にできる限り近づけることで、シミュレーション時と納入後に、印象のギャップが起きないようにも考慮されている。
3D Design Simulatorの動作環境は、OSがWindows 8/10以降、MacOS 11/12以上。ブラウザはWindowsがMicrosoft EdgeとGoogle Chrome、MacはSafariとGoogle Chrome。メモリは8GB以上としている。
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