「作業者安全モニタリングシステム」用センサーデバイスを小型軽量化、戸田建設:製品動向
戸田建設は、村田製作所と協業し、2019年5月に発売した「作業者安全モニタリングシステム」用センサーデバイスをモデルチェンジし、小型軽量化を達成した新モデルを2022年6月に販売開始した。
戸田建設は、村田製作所とともに、ヘルメット取り付け型センサーデバイスにより建設作業者の健康状態をリアルタイムで監視する「作業者安全モニタリングシステム」をモデルチェンジし、小型軽量化の達成と、新機能「ヒヤリハット検出」を搭載し、2022年6月に新モデルの販売を開始した。
準天頂衛星システムQZSS「みちびき」にも対応
国内では近年、建設就労者の減少や現場作業者の高齢化などで、安全で快適な作業環境を整備する必要性が高まっている。一方、昨今夏の暑さが厳しくなっているが、作業者の健康不良を事前に認識し、具体的な対策をとることは困難なケースが多い。
解決策として、戸田建設は村田製作所と協業し、生体情報や作業環境を確かめられる作業者安全モニタリングシステムを開発し2019年5月に販売した。
今回のモデルチェンジでは、デバイス取り付け時の装着感最小限にするため、構成を見直し不要なスペースや部品を減らし、小型軽量化を実現。さらに、小型化後も従来と同じ機能を備えており、利用シーンの拡大が見込める。
新機能のヒヤリハット検出は、装着者の体動を基に位置と時刻を記録し、足を滑らせるなど短時間での移動を、転倒や落下事故が起きる可能性があったヒヤリハットとして検出・蓄積する。ヒヤリハットに関する記録は重大事故防止のために役立つ指標で、これを効果的に分析することで、重大災害の減少に役立つ可能性がある。
加えて、戸田建設と村田製作所は、これまでヘルメット装着を中心にサービスを展開してきたが、今後は帽子などへの取り付けを目指し、建設業以外の産業へも展開する予定だ。小型軽量版については、2022年5月下旬に戸田建設の建設現場導入を行い、その後順次展開する見込み。また、モデルチェンジに伴い、準天頂衛星システムQZSS「みちびき」に対応することで、位置情報の精度向上も期待されている。
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