現場作業者の熱中症と労災を見える化する新サービス、谷沢製作所:メンテナンス・レジリエンス OSAKA 2021
谷沢製作所は、現場で生じる熱中症を含む労働災害の対策で役立つソリューションとして、IoTセンサーで従業員の体調をリアルタイムにチェックする監視・通知サービス「センサー見張りっ子」を開発した。センサー見張りっ子のリリースは、2022年以降となる予定だ。
夏の建設現場では、酷暑の中で、作業を行わなければならないため、熱中症になる作業員が多い。対策として、小まめな休憩と水分補給を促している他、ファン付き作業服を導入しているが、スタッフの体調は個人差もあり、細やかな体調管理は難しい。加えて熱中症だけでなく、現場で発生する転倒や重機接触など、さまざまな労働災害を軽減化する手段も求められている。
上記のニーズを踏まえて、谷沢製作所は、IoTセンサーで従業員の体調をリアルタイムにチェックするパウンド4テクノロジー製監視・通知サービス「センサー見張りっ子」の提供を検討している。同社は、メンテナンスと国土強靭化(ナショナル・レジリエンス)をテーマに掲げた建設総合展「メンテナンス・レジリエンスOSAKA 2021」(会期:2021年7月14〜16日、インテックス大阪)内の「土木・建設業向け/AI/IoT/5G/システム/ツール特集」に出展し、センサー見張りっ子を参考出展した。
作業者の異常を管理者の電話番号に繰り返し音声発信
センサー見張りっ子は、GI Supply製バイタルセンサーやゲートウェイ、専用クラウドで構成されるサービス。使用手順は、まず、Webブラウザからアクセスできる専用クラウドの設定画面で、バイタルセンサーを装着した従業員の情報や体温のしきい値、通知先の管理者名と電話番号を登録する。バイタルセンサーは、携帯する各作業者の体温や心拍数、位置情報を取得し、ゲートウェイを介して、専用クラウドに送れ、緊急事態を知らせるSOSの発信にも応じている。
専用クラウドでは、計測データを確認し、体温と心拍数のしきい値異常や転倒を検知した際に、あらかじめ登録されている管理者の電話番号に対して、装着者の異常をショートメールと自動合成による音声で発信する他、バイタルセンサーのバッテリー残量が少なくなっても通知。
谷沢製作所の担当者は、「管理者の電話番号への音声発信は、管理者がその着信に応答しなければ、気付くまで繰り返される。管理者は、Webブラウザから専用クラウドにアクセスし、クラウド上のダッシュボードで、バイタルセンサー装着者の体温や心拍数、位置を確かめられる」と話す。
続けて、「バイタルセンサーは、GPSで位置情報を取得しているため、屋外では高精度に作業者の居場所が分かるが、現状では屋内の特定が難しいため、この点は改善される予定だ」と補足した。
また、今回のサービスは、温湿度センサーや防犯・ドア窓センサー、ドライ接点インタフェース、土壌水分・温度・電気伝導率センサーとも連携するため、防火や防犯の対策にも使える。
【訂正】初出時、記事内容に誤りがありました。上記記事はすでに訂正済みです(2021年9月28日12時40分)
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