独自調査で浮き彫りに、“サスティナビリティ実現へ”日本企業の実態と建物設備からの解決策:ニューノーマルを勝ち抜く事業戦略(4/4 ページ)
ジョンソンコントロールズは、ビル設備からのアプローチでサスティナビリティ実現を目指す際に、日本企業がどのような課題に直面しているかを探る実態調査を実施した。
エネ削減と設備運用を1つのモニターで管理するEnterprise Manager
4の見える化は、クラウドベースの「OpenBlue Enterprise Manager」を導入すると、海外の複数施設がダッシュボード上の分析グラフなどで一目で分かるようになる。特に海外施設の場合は、現地システムベンダーの技術者に頼らなくても、ジョンソンコントロールズの各拠点と連携しているため、日本本社に居ながらにして中国やメキシコの工場のエネルギーや設備の一元管理に加え、ルールベースのアルゴリズムをもとにした不具合検知などが実装されるという。
仮に、省エネだけでは脱炭素目標に到達しないケースには、5のグリーンエネルギー調達でカバー。再エネ証書や電力購入契約(PPA)だけでなく、CO2排出量を割り引く仮想電力購入契約(VPPA)も視野に入れたエコパートナーと協力しながら調整していくとしている。
5段階から成るプロジェクト全体の流れは、日本本社でのサスティナブル目標の共有からはじまり、データや資料の確認、海外事業所にエンジニアが訪問して診断。結果をもとに、CO2削減ターゲットを設定して、合意形成が図れたら、海外事業所で詳細調査を行い、プロジェクトの契約締結。その後、ジョンソンコントロールズ現地法人による施工、運用段階での見える化システムの構築支援などを行う。
渡邉氏は、ネットゼロ・アズ・ア・サービスの提供形態について、「OpenBlue Enterprise Managerだけの提供や海外1事業所のみの脱炭素化といった多様な要望にも応えていく。今回のネットゼロ・アズ・ア・サービスは、カーボンニュートラルという国境のない地球規模での取り組みを、製品の提供ではなく、ソリューションやパフォーマンス、サービスのあらゆる方面で、顧客のパートナーとなることを骨子としている」と補足した。
また、吉田氏は、「サステイナビリティは、いまや企業の成長や経営面でも不可欠。いままでのように建物単位や事業所単位ではなく、国外の拠点も見据えたグローバルでの取り組みが求められている。だが、海外進出している製造や食品、医療などの国内企業は、サスティナビリティの適用範囲を建物レベルや地域レベルで拡大していくことのできる社外パートナーがいないことが目標達成の障壁になっている。135年以上も建物のエネルギー効率の最適化に携わってきた当社だからこそパートナーに成り得る」と強調した。
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