日機装の深紫外線LEDによる水除菌技術が、三菱地所ホームの全館空調システムに採用:BAS
日機装が開発した深紫外線LEDを用いた水除菌モジュール「PearlAqua」が、三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」の加湿システムに採用された。PearlAquaは、加湿に使用する水を深紫外線で除菌することにより、清潔な水で安全性に配慮した加湿が実現する。
日機装は、三菱地所ホームの全館空調システム「エアロテック」向けに、深紫外線LED水除菌モジュール「PearlAqua(パールアクア)」を搭載した加湿システムを開発したと2022年4月26日に発表した。
除菌された清潔な水で湿度を自動調整
快適かつ健康に過ごせる健康住宅の実現には、適切な湿度の確保が重要ですが、加湿する際には、これまで加湿器内のカビの発生や水の衛生管理などが課題とされていた。そこで、日機装では、深紫外線LED水除菌モジュールPearlAquaを加湿システムに装着させることで、加湿に使用する水を深紫外線で除菌し、きれいな水で安全性に配慮した加湿を実現した。
新たな加湿システムは、室内の乾燥状況に応じて、加湿量を自動コントロール。冬期の室内湿度を適度に調整し、過乾燥や過加湿を抑える。加湿に使用する水は、深紫外線LEDを備えた「水除菌モジュール」を通過して循環させて、ぬめりの原因となる菌やウイルスなどを除去する。
加湿の仕組みは、給水管から直接加湿ユニットへ給水され、内部のポットに水が溜(た)まる。ポットの水は、常時循環し、水除菌モジュールのPearlAquaを通過してきれいな状態を保つ。ポット内の水は、フィルターに噴射して湿らせ、各室から戻ってきた空気の一部を加湿ユニット内のファンでフィルターに風を送り、フィルターを通って加湿された空気を、「エアロテック」の立上ダクトより吹出。加湿された空気は、エアロテックで暖房された空気と混ぜられて、各室の吹出口から吹き出されて加湿する。
PearlAquaは、日機装が長年研究してきた深紫外線LED「SumiRay(スミレイ)」を搭載した水除菌モジュールで、連結子会社のAquiSence Technologiesが開発から、設計、製造までを手掛けている。全長97ミリと小型のため、国内ではドリンクサーバや飲料水生成装置、給湯器の除菌に採用されているほか、ベルギーのBOSAQが展開する電気や水などのライフライン整備が不十分な地域での太陽光パネルを活用した飲料水生成装置のプロジェクトにも導入されている。
日機装と三菱地所ホームはこれまでに、深紫外線LEDによる除菌技術を活用した除菌ユニットを共同開発し、2020年10月から三菱地所ホームの全館空調システム「新・エアロテック-UV」に導入している。新・エアロテック-UVは、エアロテックに深紫外線LEDとエキスパンド光触媒フィルターで構成される新・UVクリーンユニットを組み込み、菌やウイルスを除菌し、臭気やアレル物質を分解して、室内環境を清潔な空気で満たすシステム。
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