独自調査で浮き彫りに、“サスティナビリティ実現へ”日本企業の実態と建物設備からの解決策:ニューノーマルを勝ち抜く事業戦略(3/4 ページ)
ジョンソンコントロールズは、ビル設備からのアプローチでサスティナビリティ実現を目指す際に、日本企業がどのような課題に直面しているかを探る実態調査を実施した。
ワンストップでサポートする「ネットゼロ・アズ・ア・サービス」
調査結果から見えてきた課題に対し、ジョンソンコントロールズでは、サステナビリティセールスマネジャー 渡邉匡史氏が、世界中に拠点を持つ製造業などの日本企業向けに、計画・設計・施工・運用管理をワンストップでサポートする「ネットゼロ・アズ・ア・サービス」を提案した。
ネットゼロ・アズ・ア・サービスは、1.概要把握/目標設定/基本計画、2.設備/資金計画、3.設備改修、4.エネルギーや設備の見える化、5.グリーンエネルギー調達の計画から実施、運用までの5段階プロセスに沿ってサポートする。脱炭素へのアプローチは、「エネルギー消費量の削減(=省エネ)」、化石燃料を減らす「エネルギーの低炭素化」、熱エネルギーを減らして電気に代える「利用エネルギーの転換」の3通り。
1の基本計画提案では、あらかじめ国内外のモデル事業所を簡易的に調査し、施設状況や事業特性、削減ポテンシャルを把握した後に、基本計画をとりまとめる。2の設備/資金計画は、SBTやRE100の目標への対応策について、現地調査や資料分析、各国のエネルギー事情などに基づき、設備やエネルギー、施設運営の観点から、費用や契約関連資料(要求水準書)など、総合的にカーボンニュートラルの実行プランを作成する。
3以降の実行フェーズでは、導入設備の一例として、ノンフロンチラー高効率熱源や電化とエネルギー再利用可能な産業用ヒートポンプなど、ラインアップから最適な設備機器を整備。さらに、熱源システム最適化のためには、海外で開発したAI/ML(機械学習)を用いた「Central Utility Plant(CUP)」も用意されている。CUPは、過去のエネルギー消費量や天気予報を機械学習で解析し、1週間先の予測を2時間ごとに更新すると同時に、直近でも2時間後の予測を立て、15分単位で熱源システムの設定に反映させる。
さまざまな設備と接続するビルオートメーションシステム(BAS)の見直しによるエネルギー削減では、ジョンソンコントロールズのBAS「Metasys」の採用を推奨する。Metasysであれば、BACnetプロトコルなど多彩なオープンプロトコルを採用しているため、メーカーに縛られることなく、適切な設備や機器を組み合わせることを可能にし、ライフサイクルコストの抑制とエネルギー削減に貢献する。
【訂正】初出時、「CUPは〜2週間先の予測」とありましたが、正しくは「1週間」です。上記記事はすでに訂正済みです(2021年5月25日17時51分)
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