30社が参画する“デジタル技術×災害対策”のコンソーシアム「CORE」が5テーマで本格始動:防災・減災
2021年11月に14社が中心となって創設された防災コンソーシアム「CORE」が、デジタル技術を活用した防災・減災に関する5つのテーマを設けた分科会を発足し、新規サービスの創出と社会実装に向けた活動を開始した。
日本工営が創立メンバーとして参画する防災コンソーシアム「CORE」が2022年4月20日、本格的に始動した。企業間の協業により高度化されたサービスの創出・市場展開などを担う5つの分科会が設立され、日本工営は「オールハザードのリスク評価とまちづくり・防災対策への活用」をテーマとした分科会の代表企業として、I-レジリエンス、日本電信電話(NTT)などNTTグループ3社、東京海上日動火災保険とともに「災害に強いまちづくり」に貢献する新たなサービスづくりの実現を目指す。
COREは全体会と5つのテーマに基づく分科会で構成
COREは2021年11月、「国土強靭化基本計画」に沿った防災・減災の新しい取り組みを推進する新たなサービスの創出や市場展開などの具現化を掲げて発足。創立メンバーは、東京海上日動火災保険、I-レジリエンス、AlgoNaut、応用地質、河川情報センター、セコム、東京海上ディーアール、日本工営、NTT、パスコ、ボストン コンサルティング グループ、JR東日本、三菱電機、ウェザーニューズの合計14法人(順不同)。2022年1月からは、コンソーシアム参画法人の募集を開始しており、2022年3月31日時点で30法人が参加している。
本格的な活動開始にあたり、コンソーシアムは、全体会と5つのテーマに基づく分科会を設立し、全体会ではコンソーシアムの運営方針決定や知見・成果の発信、国・自治体などとの連携、産学連携などを担い、分科会ではコンソーシアムに参画する法人の協業により、高度化されたサービスの創出や市場展開などを進める。
5つのテーマは、災害発生時の被害の甚大化を抑えるための「リモートセンシング活用によるインフラ維持管理ソリューションの創出」、気象情報や河川情報、流域降雨量を組み合わせた「避難につながる災害の事前予測」、防災IoTセンサーやSNSなどから取得するリアルタイム情報とカメラ映像などのAI解析を融合させた「リアルタイムハザードマップの開発」、センサーや衛星の被災情報と官民の情報連携/PUSH型サービスを用いた「デジタル技術を活用した被害調査及び復旧・復興の迅速化」、「オールハザードのリスク評価とまちづくり・防災対策への活用」。
このうち、日本工営を代表企業とするオールハザードのリスク評価とまちづくり・防災対策への活用分科会では、近年頻発かつ多様化している自然災害への備えで、地域の特性に応じた「事前防災」が求められていることを背景に、想定される災害の形態や被災の影響を詳しく分析し、各社のさまざまな技術や実績を基礎に「災害に強いまちづくり」へ貢献することをミッションに設定。具体的には、I-レジリエンスの災害データやハザードの分析評価に加え、NTTドコモの人流データ、NTTのICT群をNTTコミュニケーションズが提供するプラットフォームに集約し、リスク分析評価や対策提案といった「災害リスク対策パッケージサービス」を構築。また、東京海上日動火災保険の損害データや保険金支払いノウハウも活用するとともに、実証フィールドアレンジも担当し、日本工営は全体のコーディネートを務め、地方自治体などへの提案を担う。
なお今後、COREでは、分科会ごとの課題を明確にし、さらにテーマを増やしていくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
LPガスの検針作業をサブスク化、2030年度までに100万件を目指すパナソニックの「自動検針・集中監視サービス事業」
パナソニックが、LPガス事業者向けに提供する「自動検針・集中監視サービス」は、使用量の自動検針に代表される数々の機能から成る。設置するIoTメーターによって、リアルタイムで使用状況のモニタリングや供給遮断/回復などが行えるのが特徴だ。利用料は住宅数に応じたサブスクリプションで、住宅1件あたり月額300円の安さを武器に、2030年度には100万件にまで市場拡大を目指す。2020年度の建設業界は防災・減災やインフラ対策に大幅な予算増で、堅調に推移
ヒューマンタッチ総研は、国土交通省の「2020年度予算概要」などから分析した建設業界の今後についてまとめた。これによると2020年度は、防災・減災対策や老朽化したインフラ対策を中心に2019年度を上回る予算が投入され、建設市場は堅調に推移すると予測している。国民の約50%が災害への備えがほとんど無し、“防災力”が低い理由とは?
内閣府の発表によれば、今後30年以内に、マグニチュード7クラスの首都直下地震が70%の確率で発生すると予測している。また、気象庁が運用する自動気象データ収集システム「アメダス」の雨量情報をみると、近年1時間あたりの降水量が50ミリを超える豪雨が増えていることが分かる。大地震や大雨による河川の氾濫などへの対処が急務となっている現状を考慮し、パナソニック ライフソリューションズ社は防災対策Webセミナー「毎日が、備える日」を開いた。VRを活用した“次世代型マンション防災”のプロジェクト始動、大和ライフネクストと理経
大和ライフネクストと理経は、横浜市の監修を受けつつ、マンション住人向けにVRを活用した防災コンテンツを制作することを明らかにした。八丈島で防災IoTセンサーを活用したスマート防災の実証試験
応用地質、日本工営、みずほ銀行、みずほ情報総研、Blue Labは、2020年12月より、東京都八丈町と共同で、八丈島での防災IoTセンサーを活用したスマート防災の実証試験を開始した。パトロールや避難誘導に対するアラート情報の有効性を検証し、どのような防災対策やまちづくりが必要かコンサルティングする。BCP策定をデジタルで効率化する定額会員制サービスを提供開始
三井不動産は、事業継続計画(BCP)の策定から運用・改善までを効果的かつ継続的に支援する、日本初の定額会員制コンサルティングサービス「&Resilience」の提供を2022年3月10日より開始した。BCP策定後の「運用・改善」にフォーカスし、デジタルで効率化し、継続支援する。