国民の約50%が災害への備えがほとんど無し、“防災力”が低い理由とは?:防災対策セミナー「毎日が、備える日」(1/2 ページ)
内閣府の発表によれば、今後30年以内に、マグニチュード7クラスの首都直下地震が70%の確率で発生すると予測している。また、気象庁が運用する自動気象データ収集システム「アメダス」の雨量情報をみると、近年1時間あたりの降水量が50ミリを超える豪雨が増えていることが分かる。大地震や大雨による河川の氾濫などへの対処が急務となっている現状を考慮し、パナソニック ライフソリューションズ社は防災対策Webセミナー「毎日が、備える日」を開いた。
パナソニック ライフソリューションズ社は2020年8月20日、防災対策Webセミナー「毎日が、備える日」を開催した。当日は、パナソニック ライフソリューションズ社 マーケティング本部 総合戦略企画室 横山幸司氏や静岡大学 特任教授 岩田仁氏が災害対策に資する製品や取り組みを紹介した。
断水時や停電時に役立つ製品をラインアップ
冒頭、横山氏は、「これまで内閣府は、1995年に起きた伊勢湾台風をきっかけに災害対策基本法を制定し、同年に発生した阪神淡路大震災を受けて建物耐震改修促進法を整備して、2011年の東日本大震災では大規模災害想定対策を見直した」と述べた。
現在では、「各災害の経験や近年の気候変動による災害の激甚化を踏まえて、未来構想プロジェクト“防災4.0”を推進している。防災4.0では、減災を図る上で、自律的に住民や企業が災害に備える必要があることを盛り込んでいる」と説明した。
続けて、「パナソニック ライフソリューションズ社では、個人が災害対策を進められる製品として、太陽光発電システム“HIT”やリチウムイオン蓄電池ユニット、給湯器“エコキュート”を販売している」と付け加えた上で、各製品の災害対策に貢献するポイントを解説した。
HITやリチウムイオン蓄電システムは、大規模災害で長期間の停電が起きた際に役立つ。HITは、太陽光のエネルギーを電気に変換する効率が良く、発電量が多いため、停電しても複数の家電を動かせる。日中に発電した電気をリチウムイオン蓄電池ユニットに貯めることで、夜間でも電気を使える。
「東日本大震災で被害が大きかった仙台市では、電力が完全に復旧するまでに10日かかった。最低でも1週間以上電気が使用できないことを想定して、電気設備の防災対策を進めなければならない」(横山氏)。
エコキュートは、災害による断水時に、貯湯タンク内の湯を取り出して、生活用水を確保でき、貯湯タンク内には最大370リットルの水を貯水可能。さらに、2020年10月10日に発売する新バージョンでは、搭載している「エマージェンシー沸き上げ機能」を使用することで、災害警報や注意報が発令されたとき、タンク内が湯で満水になるように、沸き上げを自動で進めさせられ、停電時でも湯を利用できる。
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