LPガスの検針作業をサブスク化、2030年度までに100万件を目指すパナソニックの「自動検針・集中監視サービス事業」:IoT設備(3/3 ページ)
パナソニックが、LPガス事業者向けに提供する「自動検針・集中監視サービス」は、使用量の自動検針に代表される数々の機能から成る。設置するIoTメーターによって、リアルタイムで使用状況のモニタリングや供給遮断/回復などが行えるのが特徴だ。利用料は住宅数に応じたサブスクリプションで、住宅1件あたり月額300円の安さを武器に、2030年度には100万件にまで市場拡大を目指す。
ガス事業者とエンドユーザーの双方の満足度を高める機能
自動検針・集中監視サービは、4つのサービスで構成し、ガス事業者だけではなく、エンドユーザーの満足度向上にもつながる。
1.集中監視サービス(自社監視、保安、検針、残ガス)
2.Web明細サービス
3.安心・安全サービス
4.省エネ支援サービス
集中監視サービスは、ガスの使用状況や自動検針、ボンベ内のガス量の検知・通知などを網羅する。自動検針は、毎月の検針を自動化し、残ガスの検知ではガスボンベの残量を遠隔で取得できる。残ガス量は、残量30%や残量20%など、通報する残量を設定できるため、効率的なボンベの交換や配送業務、適切な在庫の管理などに役立つ。各機能は、いずれもインターネットに接続したPCからログインすることで閲覧できるので、特別な端末を別途用意する必要は無い。
Web明細サービスは、エンドユーザーがガス使用量の請求データをWebブラウザ上で確認する機能。ガスの使用量を1日単位でチェック可能なので、月単位でしか使用量が分からなかったときと比べると省エネ意識の醸成にも貢献する。
安心・安全サービスと省エネ支援サービスはオプションとなる。安全・安心サービスは、エンドユーザー向けにガスの消し忘れや一定期間ガスの利用がない場合には、メールで通知。さらに、ガスを消し忘れは、外出先からスマートフォンでガス使用の遠隔遮断が可能だ。
自動検針・集中監視サービスは、既に2018年から一部事業者に対してサービスが提供されている。岸川氏は、「2022年度から本格的に市場展開したい」と述べ、2030年度にはエンドユーザー数で100万件の目標を示した。
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