建物OS「DX-Core」の情報セキュリティ対策を強化、年1回の診断で安全な建物運用環境を維持:サイバーセキュリティ
清水建設は、建物OS「DX-Core」のサイバーセキュリティ強化を目的に、ベンチャー企業とともにセキュリティ診断システムを開発した。
清水建設は2022年1月28日、独自に運用する建物OS(オペレーティングシステム)「DX-Core」の情報セキュリティ対策強化を目的に、情報セキュリティ業界をリードするベンチャー企業のベルウクリエイティブと協業し、セキュリティ診断システムを共同開発したと発表した。診断システムは保守サービスの新たなオプションであり、年1回程度の診断にで、DX-Coreの利用環境を安全に保てるという。
700項目からなる診断ガイドラインとクラウドで、DX-Coreの利用環境を診断
DX-Coreは、PCのOSのように、建物の設備やシステムとアプリケーションを追加するだけでAPI連携する建物版のOS。配線接続も要らずプログラムレスで、ロボットや空調制御、Aiカメラなどの各種アプリケーションを追加するだけで、既設建築物も含めてビル機能をアップデートできる。メーカーの垣根を越えたオープンシステムのため、さまざまな建物管理システムやセキュリティシステム、IoTデバイス、ネットワークインフラ、サービスアプリケーションと接続し、顧客ニーズに合わせてパッケージ化して提供する。セキュリティ面では、既に経済産業省が提唱する「ビルシステムにおけるサイバー・フィジカル・セキュリティ対策ガイドライン」に準拠した対策を施している。
一方、ネットワーク環境を利用する各種システムは、DX-Coreも例外でなく、情報セキュリティリスクに晒(さら)される可能性が高く、高度かつ継続的なセキュリティ診断が推奨されている。DX-Coreはオープンシステムであり、特定の機器だけでなく、システム全体を考慮する必要があるため、セキュリティ専門事業者との協業による診断を実施する。
協業先のベルウクリエイティブは、内閣サイバーセキュリティセンター・サイバーセキュリティ協議会の一員で、経済産業省が定める「情報セキュリティサービス基準」に適合した各種サービスを展開。共同開発した診断システムは、DX-Coreの設計、実装、運用、改修、廃棄に至る全てのプロセスで、情報セキュリティリスクを排除する。このうち、運用、改修、廃棄のセキュリティ診断を保守サービスのオプションとして提供する。
診断システムは、約700項目からなる診断ガイドラインとクラウドを介して、DX-Coreの利用環境を診断するソフトで構成。診断ガイドラインは、米国立標準技術研究所が策定したサイバーセキュリティフレームワーク、サイバーセキュリティガイドラインに準拠しており、非情報エンジニアでも容易にDX-Core導入時に情報セキュリティ対策を構築できる。診断ソフトの利用料は、10万円/1万平方メートル程度。年1回程度、Wi‐Fi/有線ネットワーク・システムのセキュリティホールや不正Wi‐Fiの有無を検知することで、安全な利用環境を維持する。
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