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ポーランドで再生可能エネルギー発電施設の開発事業に参画、鹿島建設:産業動向
カジマ・ヨーロッパは、ポーランドで再生可能エネルギー発電施設開発を展開するPAD-RESを買収した。カジマ・ヨーロッパによるポーランドにおける企業買収は、同国で学生寮を開発・運営するStudent Depot(スチューデントデポ)に次いで2件目となる。
鹿島建設の欧州事業を統括するカジマ・ヨーロッパは、ポーランドで、再生可能エネルギー発電施設開発を展開するPAD-RES(パドレス)の株式における約70%を取得し、再生可能エネルギー発電施設の開発事業に参画することを2021年11月29日に発表した。
風力・太陽光発電施設を建設し電力会社や投資ファンドに売却する方針
ポーランドは、発電の約7割を石炭火力に依存しており、同国の政府はエネルギー消費量に占める再生可能エネルギーの割合を2030年までに最低でも23%にする目標を掲げている。
一方、カジマ・ヨーロッパは、成長市場と見込まれるポーランドの再生可能エネルギー事業で、PAD-RESを通じ、用地契約、風力・太陽光発電施設建設の許認可取得、電力販売契約、風力・太陽光発電施設の建設を行った上で、電力会社や投資ファンドに同施設を売却していく方針だ。
加えて、現地の有力パートナーとともに、再生可能エネルギー事業の川上分野に取り組み、ノウハウを蓄積することで、新たな収益源の獲得と構築を目指していく。
PAD-RESの概要
PAD-RESは、ポーランドのワルシャワに本社を構える企業で、設立は2010年4月。従業員数は19人で、事業内容は再生可能エネルギー(風力・太陽光)発電施設の開発。
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