大林組が六ヶ所村で約1.7万世帯の電力を供給する風力発電所の建設に着手:プロジェクト
大林組は2017年、秋田県三種町で合計出力6メガワットの陸上風力発電所「三種浜田風力発電所」を完成させ、2018年に運転を開始した。2020年には、三種浜田風力発電所に次ぐ2件目となる陸上風力発電所の建設工事を青森県六ヶ所村で開始した。
大林組は、グループ会社の大林クリーンエナジーが青森県六ヶ所村で進める上北小川原風力発電所の開発プロジェクト「上北小川原風力発電事業」の建設工事に着手したことを2020年9月18日に発表した。
上北小川原風力発電所には、1基で3.4メガワット(MW)の電力を発生する風車を6基設置し、発電容量は最大で20.4MWに及ぶ。20.4MWの電力は約1.7万世帯の電力消費量に相当する。全高133メートルの風車建設には、超大型クレーンを使わず、最小限のエリアで風車を組み立てられるウインドリフト工法を採用。周辺地域の安全や環境保全に考慮しながら工事を進めており、竣工は2021年末を予定している。
ウインドリフト工法は、リフトアップにより風車を組み立てる装置「ウインドリフト」を用いて、風車を建設し、従来工法と比較して、最大30%程度の施工スペースが不要となるため立木の伐採や造成工事の作業量が減らせる。また、施工条件によるが、超大型クレーンの費用や工事量の削減を合わせると10〜20%程度のコストカットにつながる。
大林組グループは、2012年7月に営業を開始した太陽光発電事業を皮切りに、2020年8月時点で、太陽光発電所28カ所、陸上風力発電所1カ所、バイオマス発電所1カ所、合計150MW超えの再生可能エネルギー発電事業を行っている。秋田県の能代市や三種町、男鹿市沖では、洋上風力発電事業の事業者公募に向け、環境アセスメントの開発可能性調査を推進するなど事業化への準備も進めている。
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