三菱地所がスマートホームサービスの提供を開始、東京都港区の新築マンションに導入:製品動向(2/2 ページ)
三菱地所は、さまざまなIoT機器をまとめて制御するスマートホームサービス「HOMETACT」を開発し、2021年10月末に提供を開始した。
ユーザーの位置情報と時間を基に複数のIoT機器を起動可能
マイルールでは、専用アプリで事前に設定したユーザーの位置情報と時間を基に、複数のIoT機器を起動および停止させられる。例えば、ユーザーが、専用アプリを用いて、「もうすぐ帰るよ」というマイルールで、特定の曜日、時間、家とユーザーの距離を設定し、稼働させる機器として、エアコンや給湯コントローラー、IoT照明、IoTカーテンを選べば、帰宅時間に合わせて、IoT照明の点灯やエアコンの起動、カーテンの開閉、浴室の湯張りを行える。
TACTBASEは、物件、顧客、IoT機器に関する情報の統合管理や設置および設定の状況、メンテナンスデータの保存、メッセージの送受信といった機能を持つ端末で、入退去管理からユーザーサポートまで幅広い業務をサポートする。
設置・設定サービスでは、パートナースタッフが、HOMETACT利用開始前の設置と設定を支援し、アプリサポートデスクでは、専用アプリの設定や操作方法など、HOMETACTに関する問い合わせに、従業員が365日・10〜18時で応じる。
将来実装予定の駆け付けサービスでは、アプリサポートデスクと連携し、専門のスタッフが、HOMETACTに接続するデバイスの不具合や設定のフォローを行う。なお、設置・設定サービス、アプリサポートデスク、駆け付けサービスでは、ビックカメラやソフマップ、ラネットと協業する。
今後の展開について、細谷氏は、「当社では、HOMETACTが対応するIoT機器を増やしていく。また、賃貸マンションシリーズ“ザ・パークハビオ”と分譲マンションシリーズ“ザ・パークハウス”の全戸に導入し、賃料のアップや顧客満足度の向上を実現する。将来的にはHOMETACTの外販も視野に入れている」とコメントした。
2LDKと1LDKの2部屋を披露
記者説明会後に紹介されたザ・パークハビオ 麻布十番のモデルルームは2LDKと1LDKの2部屋。2LDKは、リビング、キッチン、寝室、書斎、トイレ、バスルームを備えており、室内ではHOMETACTのデモンストレーションが実施された。デモンストレーションでは、橘氏が、HOMETACTのマイシーン「行ってきます」により、照明の消灯やロボット掃除機の稼働などを披露した。1LDKは、リビング、キッチン、寝室、トイレ、バスルームから成る。
「ザ・パークハビオ 麻布十番」の概要
ザ・パークハビオ 麻布十番は、RC造地上15階建てで、延べ床面積は5077.84平方メートル。所在地は東京都港区六本木5丁目13-6で、敷地面積は1015.73平方メートル。総戸数は106戸で、専有面積は25〜69.49平方メートルで、間取りは1R〜2LDK。入居開始は2021年11月5日。
全部屋には、HOMETACTに対応するIoT機器として、Google Nestのスマートスピーカーとスマートディスプレイ、ライナフ製のスマートエントランス「Ninja Entrance」とスマートロック「Ninja Lock」、リンナイ製の給湯コントローラー、LiveSmart製の赤外線コントローラー、LifeSmart製のスマートスイッチ、SOMFY製のスマートカーテンを配置している。
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